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政府 原賠機構法を改正 東電の福島原発廃炉費用を丸抱え融資 最終的には国の債務に(各紙)

2014-02-12 09:20:47

genbaikikouキャプチャ
genbaikikouキャプチャ各紙の報道によると、政府は東京電力に対して、福島第一原発の廃炉に関する費用を原子力損害賠償支援機構を通して支援できる仕組みに切り替える方針という。現在の原賠機構は東電が福島事故の被災者に払う賠償資金を融資する機能を持っているが、これを廃炉などの事業にも拡大する。国が東電の将来債務を丸抱えすることの是非が改めて論議の的になりそうだ。

 

原賠機構の役割を拡大するため、経済産業省は原賠機構法の改正案を月内にも閣議決定し、今国会での成立を目指すという。改正法では、機構に廃炉の専門家を集めて、東電への技術的指導も行えるようにする。国が人材・資金の両面で福島事故処理に乗り出すことになるが、廃炉費用は100兆円に上るとの試算もあり、国の財政負担増大の一因になるリスクもある。

原賠機構は2011年に設立され、国債を元手に東電が被災者に払う賠償資金を一時的に融資する仕組みをとっている。これまでは賠償資金しか融資していないが、今後は廃炉にかかる資金の融資や出資もできるようにする。必要資金は機構が民間金融機関から政府保証付きで借りる予定。東電が返済不能になると、国の負担となる。

改正法では原賠機構の名称も「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」に変更する予定。新機構は改正法案の成立後、5~6月に発足する見通し。機構内には経産相が委員を選ぶ「廃炉等技術委員会」をもうけ、同委員会が廃炉技術の研究開発計画をつくるという。

新機構への切り替えに伴い、機構が東電の賠償を援助する資金枠も現行の5兆円から9兆円に拡大する。すでに14年度予算案に盛りこんでいる。今後も賠償が膨らむほか、除染の費用もいったんは東電が立て替える。原賠機構はこれまでに4.7兆円の援助を決めており、上限が近づいていた。