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原子力市民委員会 脱原発の政策大綱発表 「原発ゼロ社会は難しくない」「政府のエネ計画は後ろ向き」(FGW)

2014-04-12 21:07:31

原子力市民委員会の記者会見の模様
原子力市民委員会の記者会見の模様
原子力市民委員会の記者会見の模様


市民や学者、自治体関係者らで組織する「原子力市民委員会」(東京・四谷、座長・舩橋晴俊法政大教授)は12日、脱原発を実現するための政策大綱、『原発ゼロ社会への道――市民がつくる脱原子力政策大綱』を発表した。原発ゼロ社会の「実現は難しくない」と指摘するともに、政府が目指す原発再稼働は「認めるべきではない」と強調した。

 

都内で記者会見した舩橋座長は、政府が原発再稼働を明記したエネルギー基本計画の閣議決定について、「政府は、後ろ向きのものしか出さない。国民からかけ離れている」と語った。吉岡斉九州大大学院教授も「なぜ原発を続けるのか。無責任なレトリックでごまかそうとしており、とんでもないことだ」と批判した。

 

原子力市民委員会は、2013年4月に発足、同年10月に「中間報告」を発表、原発のない社会を目指す政策案を提案していた。今回の『政策大綱』は、中間報告に対して、寄せられた市民の意見などを加味してまとめた。

 

『政策大綱』は、福島の原発処理が進まないのに、政府が原発再稼働を促進しようとしている現状に対して強い危機感を示している。そのうえで、脱原発のための法制や政治体制の整備を通じることで「現実上の原発ゼロ」から「法律に基づく原発ゼロ」に進むことを主張している。

 

また、汚染水対策や事故炉の管理、被害者の支援や賠償、放射性廃棄物の処理・処分、国際政治などに関して、前回の『中間報告』よりさらに進んだ具体的な政策を提言している。

 

政策大綱の構成は以下のようになっている。

 

「序章」では、政府が原子力発電のメリットとしてあげてきた「供給安定性」「経済性」「環境保全性」(いわゆる3E)における優位性が、福島第一原発事故によりことごとく否定されたことを指摘。一方で、福島第一原発事故後の現実からしても、今後の日本社会のエネルギー需給構造の変化からしても、原発ゼロ社会の実現は難しくないと強調する。

 

「第1章」は、放射線リスクを過小評価しがちな政府や福島県などの姿勢を批判し、「被ばくを避ける権利」は憲法に保障された基本的人権であり、避難指示の解除にともなう賠償の打ち切りなどを含む、「帰還」の強要が許されないとの立場を再確認。人々の健康と福祉、生活再建などを目的とした「人間の復興」こそが「復興政策」のあるべき基本とする。そして、避難先にとどまるか、帰還するかを被災者自身が自由に選択できるよう、国が賠償と生活支援に責任を持つべきだとしている。

 

「第2章」では、事故対策と原因究明が進まない現状を前に、東京電力を破綻処理したうえで、廃炉業務を一元的に担う<福島第一原発処理公社>を設立し、公社がこの作業にかかわる雇用体制、労務政策、被ばく管理に直接責任を持つことを提案。また、1~3号機の溶融炉心(デブリ)冷却を水冷から空冷に切り替えて汚染水問題を根本的に解決し、作業員の被ばくを軽減、廃炉は「石棺」化して人類の「負の遺産」とすべきだとしている。

 

放射性廃棄物の処理・処分を扱う「第3章」は、1)プルトニウムから低レベル放射性廃棄物まで、原子力発電に関連するすべての核物質を廃棄物とみなし、2)廃止された核施設および廃棄物の管理・処分を一元的に実施する<日本原子力廃止措置機関」(JNDA)>を政府の元に設置し、3)廃棄物の管理・処分施設は、「負担の公正・公平化」の原則に立って国民的協議を行った上で決める――ことを提案。また、核燃料サイクルおよび関連事業・施設は全廃するとしている。

 

当面の課題となっている原発再稼働については、「第4章」で議論、「信用されない電力会社や原子力規制委員会・原子力規制庁という組織のもとでは論外」だとする。再稼働を容認できない技術的根拠としては、①住民の被ばく防止に不可欠な従来の「立地審査指針」が無視され、②既存の原発は大きな地震・津波に耐えられず、③基本設計の見直しがないため、過酷事故を避けることができず、④事故が起きた場合に地域住民を速やかに避難させる防災計画に、まったく実効性がない――ことなどを指摘。

 

規制委員会は、原発の審査に当たり、避難計画の現実性を含むべきことを提言。また、「世界一厳しい規制基準」だと自賛する田中俊一原子力規制委員長の発言は、全く事実に反するもので「安全文化の醸成・堅持に反している」と批判する。

「法律に基づく原発ゼロ」の具体化への行程を提示したのが、「第5章」。ここでは、首相を長とする<脱原子力・エネルギー転換戦略本部>を開設、<脱原子力基本法>と<エネルギー転換基本法>を制定、その下に<脱原子力庁>を置くなど(p.181図5.1)、原発推進の法制度を根本から改革する。

 

電源開発促進税を廃止し、これにともない電源三法交付金も廃止することを提案。代わって<脱原子力・エネルギー転換税>と、それを原資とする<エネルギー転換交付金>を創設し、脱原発、再エネ普及、エネルギー効率化の取り組みと、既存の原発立地地域の経済的自立につなげる。

 

福島原発事故を起こした東京電力の破綻処理に当たっては、役員の経営責任、株主責任、金融機関の責任を取らせ、被害者補償や雇用確保、電力供給の確保などには国が責任を持つ。新制度のもとで、全電力会社の原発、日本原燃などの所有する核燃施設は全廃される。

 

「終章」では、政・官・業・学・メディアなどからなる「原子力複合体」(p.212)の強大な支配力が国の電力・エネルギー政策を主導し、ついに福島第一原発の過酷事故をもたらしたことを指摘。政策決定と民意の乖離を克服するための民主的な政策決定について論じる。

 

「おわりに」では、あの惨事を経験した日本こそが脱原発を世界に広げる役割を果たすべきである強調している。

http://www.ccnejapan.com/?p=3102

 

 

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2014041200177