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福島第一原発のタンク水からストロンチウム除去、東電が米キュリオン社と契約。 東芝製ALPSの機能不全をカバー(日経テクノロジー)

2014-06-11 16:36:02

福島第一原発で使われるKurion社のSr除去装置(写真:Kurion社)
福島第一原発で使われるKurion社のSr除去装置(写真:Kurion社)
福島第一原発で使われるKurion社のSr除去装置(写真:Kurion社)


東京電力と米Kurion社は、Kurion社の移動式装置により、福島第一原子力発電所のタンク水からストロンチウム(Sr)を除去する契約を締結した(発表資料)。

東電はタンク水を処理するために、今回の装置より大規模な多核種除去設備(ALPS)の増設を続けている。ALPSは別途、セシウム(Cs)を除去したタンク水から放射性物質62種(トリチウム以外)を除去する設備で、タンク水を環境中へ放出できるよう処理することを最終目標としている。今回の装置はALPSの追加設置完了までの間、Srを集中的に除去するために使う。

Kurion社は2011年の復旧当初から東京電力と協力し、Csに対処してきた。現在は、Srがサイト内で最大の放射線放出体となっているため、タンク水のSrを減らせば、作業員の安全が改善され、周辺環境へのリスクも低減できるとする。

Kurion社のSr除去装置は、同社のCs吸着塔と同様のモジュール式の接続・処理設計手法を採用しているが、除去の仕組みはCs吸着塔とは異なる。ガラス固化しやすい無機のイオン交換メディアを使用して、水中の低リスク汚染物質からSrを分離するというものだ。

装置はタンク群の脇に設置する予定。すでにプラントの検査用準備区域に最初の機器を納入しており、今後数週間以内に残りの機器を出荷する。装置の稼働開始は2014年夏になる見込み。除染対象のタンクには合計で約40万トンの水が貯蔵されており、その量は1日に400トン増加する。今回の装置の処理能力は現在、最高300トン/日だが、Kurion社と東電は、装置の性能向上や運用方法の改善などを進めるとしている。

 

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140609/357260/?bpnet