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東電 昨年8月の放射能ガレキ拡散作業の推計放出量を下方修正。それでも1300億~2600億ベクレルが南相馬市等へ飛散(FGW)

2014-08-20 00:23:02

がれき撤去作業で拡散した放射能粉じんが流れた方向
がれき撤去作業で拡散した放射能粉じんが流れた方向
がれき撤去作業で拡散した放射能粉じんが流れた方向


東京電力は19日、昨年8月に実施した福島第一原発のがれき処理で大量の放射能が拡散し、南相馬市周辺で汚染米が発生した”問題で、拡散した放射性物質量の推計値の大幅な下方修正を発表した。

7月の推計では1兆1200億ベクレルの放射性物質の排出があったと推計したが、今回は、「前回推計は保守性を課題に含んでいた」として、実際は1300億~2600億ベクレルだったと、当初推計値の12~24%のレベルだったとしている。

 

ただ、福島原発事故を引き起こし、がれき処理の責任企業でもある東電による下方修正推計値が妥当かどうかは、第三者検証を踏まえないと何とも言えない。さらに下方修正とはいえ、実際に、がれき処理で拡散した放射性物質が南相馬市等に飛来し、田んぼを汚染、高濃度の汚染米を今も産出していることについてまでも、”修正”することはできない。

 

東電は先月の報告では、3号機の免震重要棟前でのがれき作業がダスト濃度から4時間の作業だったとして、1兆1200億ベクレルの放射性物質の排出量推計を公表した。しかし、この推計は、保守性を過大に含んだ放出量評価であったため、様々な環境データと照合の上、今回、「現実的な放出量再評価」を行ったという。

 

それによると、ガレキ拡散問題が生じた昨年8月19日は、1日を通して南南東から南東の風が支配的であったことから、風下で測定した環境モニタリングデータを用いて放出量の評価を行った。それによると、放出量は1300億ベクレル~2600億ベクレルとなり、当初の1兆1200億ベクレルから大きく下がった。また放出時間も前回は4時間としていたが、今回は、午前9時20分~11時00分の一回目と、13時30分~14時00分の2回目とに分け、合計放出時間は、2時間10分だったとしている。

 

大幅な下方修正とはいえ、短時間で1300億ベクレル~2600億ベクレルの放射性物質が集中的に拡散したことは否定できない。原発事故時の大量排出に続く”二次拡散”を招いた事実までは修正できない。

 

東電の推計によると、3号機のダストモニターで毎月測定している放射能の追加放出測定データでは、一時間当たり1000万ベクレルの推計で、1か月(744時間)当たり74.4億ベクレルと試算している。

クレーンでがれきを撤去する作業
クレーンでがれきを撤去する作業


 

一方で、東電の試算は3号機免震等前での作業だけの推計にとどめているが、ガレキ撤去作業は、天井クレーンガータの撤去作業を含めて、昨年7月末~8月の間で少なくとも10日は実施している。この点は、先月も指摘したが、今回の修正でも全く触れられていない。

 

「見つかった部分」だけを、都合のいい方向にそっと修正し、「見つかっていない部分」はそっとしておくというのが、東電流のようだ。マスコミもその点に触れるような報道が見当たらない。

 

参考記事 http://financegreenwatch.org/jp/?p=45507

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2014/images/handouts_140819_03-j.pdf