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東電福島第一原発事故処理作業 東電の下請け企業16社が「作業員の危険手当を搾取」。東電も放置。現役作業員ら4人、東電・下請け各社を提訴(各紙)

2014-09-03 23:01:02

Japan Nuclear
fukushimaworkers-b-20140626-870x580各紙の報道によると、東京電力福島第一原発で廃炉作業に従事している作業員4人が3日、本来、作業員に支払われるべき危険手当を下請け企業が搾取したことの責任を問う形で東電と下請け企業16社を相手に総額約6200万円の損害賠償訴訟を福島地裁いわき支部に起こした。

訴えたのは、現在も作業現場にいる2人と、元作業員の30~60代の男性4人。現役作業員までもが、福島原発処理作業の待遇改善を求めて東電を訴えるのは初めて。
4人は2011年5月以降、3号機建屋のがれき撤去や高濃度汚染水がたまっているタンク周辺のパトロールなどの仕事に従事してきた。こうした作業に対して、東電は下請け企業に対して作業員1人当たり1万~10万円の危険手当を支払っているが、3人は全く受け取っておらず、残る1人も少額を受け取っただけだったという。

 

1日最大5万円の危険手当が中間搾取され、さらに、拘束時間に見合う賃金が支払われず、終業時刻も管理していないため残業代が適正に支払われなかったと指摘している。東電についても「下請け企業が危険手当を搾取している実態を知りながら、放置していた」とし、共同不法行為を主張している。

 
原告側の広田次男弁護団長は「現状を放置すれば作業員の士気が低下して人材が流出し、廃炉作業に影響が出かねない。多重下請け構造の改善が求められる」と話している。

東電広報部は「詳細は承知していない。訴訟で主張を詳しく聞き、対応する」としている。