HOME |東北での土砂違法採取。福島県田村市の山林でも発覚 除染農地の埋め戻しに転用(河北新報) |

東北での土砂違法採取。福島県田村市の山林でも発覚 除染農地の埋め戻しに転用(河北新報)

2015-01-22 13:19:03

fukushimatamura20150121048jc
fukushimatamura20150121048jc東日本大震災の復興事業用に岩手、宮城両県で土砂が違法採取されていた問題で、福島県田村市でも採石法に違反したまま土砂が搬出されていたことが21日、福島県などへの取材で分かった。

採取した業者は、東京電力福島第1原発事故で汚染された農地の除染に使ったと説明している。福島県内での違法採取の発覚は初めてで、東北の被災3県全てで違法操業が横行している実態が浮かび上がった。

 
福島県などによると、違法採取が確認されたのは田村市の山林で、面積は0.3~0.5ヘクタールとみられる。県内の業者が1~2年前から土砂を掘り出し、汚染農地の除染用に運び出していた。

 
土砂を採取するには県に採石業者の登録をし、採取計画の認可を受ける必要があるのに、業者はいずれも行っていなかった。現場には調整池が設置されて土砂の流出対策は施されていたが、採取場所が急勾配のため崩落の危険性がある。

 
県は2014年11月に実施した現地調査で、違法操業を確認した。業者はいったん採取を中止する意向を示したものの、「除染用の土砂の需要は現在も非常に大きい。採取をやめると関係業者に迷惑が掛かる」としてすぐに撤回。県が再度、採取の中止を指導してようやく従ったという。

 
県内では、除染で表土をはぎ取った農地を埋め戻すため、別の場所で採取した放射性物質濃度が低い土砂が用いられている。土砂の放射性物質濃度は国の基準で1キロ当たり100ベクレル以下と規定されている。

 
土砂の違法採取をめぐっては、岩手県内で2カ所、宮城県内も15カ所で行われていたことが発覚。多くは復旧事業のかさ上げ用の土砂に使われていた。

 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201501/20150122_63027.html