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原子力規制委が福島沖など海底土調査、核兵器原料のプルトニウム239等を複数地点で検出。微量だが、蓄積拡大の可能性も(FGW)

2015-02-02 23:48:05

fukushimakaitei2015キャプチャ
fukushimakaitei2015キャプチャ原子力規制委員会によると、東京電力福島第一原発事故の影響を把握するため実施している福島、宮城、茨城、千葉各県沖の海底を対象とした調査の最新結果を公表した。それによると、複数の海底土から微量だが、核兵器の原料となるプルトニウム239のほか、同238、ストロンチウム90、アメリシウム241などを検出した。

 

検出されたプルトニウム239は、宮城県沖で1kg当たり1.3ベクレル、同地点ではストロンチウム90が0.18ベクレル、プルトニウム238が0.014ベクレル、アメリシウム241が0.68ベクレルなどと、多様な核種が検出された。

また福島・茨城両県の境目付近の海底からも、プルトニウム239が1.2ベクレル、同238、ストロンチウム、メリシウムなども多様に検出されたセシウムも200ベクレル。福島原発沖約30kmの辺りからは、プルトニウム239が0.85ベクレル、セシウム186ベクレルなどが見つかっている。

 

プルトニウム239は、半減期が2万4100年と長く、ウラン-238の中性子捕獲で生じるウラン-239がベータ崩壊してネプツニウム239が生まれ、その崩壊で生成することが知られている。核兵器の材料になるため、原子炉で生成するものは厳重な管理下に置かれている。

 

今回、検出された核種は微量だが、検査対象外の地点ではもっと蓄積している可能性も想定される。こうしたように、外部に飛び散ったプルトニウムの管理をどうするかは定まっていない。

 

プルトニウム239を速い中性子で照射するとプルトニウム238が生成する。同238は半減期が87.7年。ストロンチウムはカルシウムと似た性質をもち、体内摂取されると、かなりの部分が骨の無機質部分に取り込まれ、長く残留することで知られる。半減期は29.1年。アメリシウム241は半減期433年で、プルトニウム239の二重中性子捕獲によって生成するプルトニウム241がベータ崩壊して生じる。

http://radioactivity.nsr.go.jp/en/contents/10000/9404/24/458_1_20150202.pdf