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北陸電力志賀原発2号機、建屋に雨水流入し、分電盤が漏電。非常用冷却水用の電源も停止の恐れ。規制委、原因究明求める(各紙)

2016-10-20 10:04:12

shigaキャプチャ

 

 各紙の報道によると、北陸電力の志賀原子力発電所の2号機(石川県)で9月、原子炉建屋に雨水が6.6㌧が流入、電気設備で漏電するトラブルが起きたことが分かった。原子力規制委員会は原子炉の非常用の冷却設備などの電源を失う恐れがあったとして、同社に対し、再発防止策を求めた。

 

 志賀原発は原子炉建屋付近で排水溝の安全対策工事を行っていた。9月28日に前線に伴う大雨を受け、排水溝が十分に機能しなかったことから道路が冠水、あふれた雨水がケーブルを通すためのすき間や建物のコンクリートのひび割れなどを伝わって原子炉建屋の地下に広がったという。

 

 雨水は建屋1階の床のひび割れを通じて地下2階まで流入した。建屋内の1階にある非常用の照明用で電気を送る分電盤も雨水の影響を受け、一つが漏電した。さらに雨水の量が増えていたら、原子炉に非常用の冷却水を送るための分電盤も漏電した恐れがあったという。


 北陸電力はこれまで、原発の再稼働の前提となる審査の申請で、志賀原発2号機の洪水対策について洪水が起きる地形ではないため必要ないとしてきた。規制委の更田委員は「設備が水をかぶることの恐ろしさは福島第一原発の事故で経験している。それでもなぜこうしたことが起こるのか、規制がどのようなことを要求し、事業者がどのような方針を立てているか、確認する必要がある」と指摘した。

 

 北陸電力は「規制庁の指摘を真摯に受け止め、再発防止に努めたい」とコメントした。ただ、新規制基準では、洪水等を想定して水の浸入を食い止める水密扉などの安全対策を求めているが、雨水の侵入は想定していない。

 

 規制委の田中俊一委員長は、「(われわれも)今回のようなトラブルを想定していなかったという意味では、更田委員が『規制に抜けがあったかも知れない』と言ったように、内容を精査して今後の規制に生かす必要がある。規制の強化や審査のなかでよく見ていく必要があるかもしれないので、慎重に進めたい」と述べた。

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