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東京電力福島第一原発事故で拡散し、周辺の森林に降り注いだ放射性物質、大半が流出せず、森林土壌の地表10cm以内に堆積のまま。台風時等の流出リスク続く(各紙)

2019-03-13 16:46:13

NHK21キャプチャ

 各紙の報道によると、東京電力・福島第一原子力発電所の事故時に大量放出された放射性セシウムの多くが、周辺の森林に積もったとみられるが、それらは事故後の8年間でもほとんど流出せず、大半が森林等の地中にとどまっていることが、日本原子力研究機構の調査でわかった。

NHKが報道した。それによると、福島第一原発事故では大量放出された放射性物質セシウムのうち、およそ70%は森林に積もったとみられる。森林除染はほとんど進んでおらず、90%以上が堆積したままという。年間の流出量は0.1%でしかなく、今後、大雨や強風等によって、周辺の住宅や農地などに拡散するリスクを抱え続けていることになる。


 原子力機構では、事故後、2012年から16年までの4年間、福島県川俣町と川内村の森林で土壌中などに残るセシウム量を継続的に調査してきた。その結果、セシウムは土壌の表面から10cm以内の深さに90%以上が残り、森林から周辺に流出する量は年間で0.1%程度とごくわずかでしかないことがわかった。事故後8年を経ても、大半は地表にとどまっているわけだ。

NHK22キャプチャ

 一方、森林等の周辺の河川の水に含まれるセシウムの濃度は、1㍑当たりで1ベクレル未満にまで減少しており、飲料水の基準の10ベクレルを下回っている。しかし、河川に生息する淡水魚のヤマメからは、食品の基準となる1kg当たり、100ベクレルを超える比較的高い濃度のセシウムが検出されることが現在も続いている。

  魚類への汚染が、森林地帯に残存する大量の放射性物質の影響かどうかは現時点では不明だ。原子力機構は引き続き、詳しく調査する必要があるとしている。

 セシウムは半減期が2年のセシウム134と、30年におよぶ137がある。134は除染をしなくても、すでに事故後8年を経過しているので、大半が焼失した可能性があるが。137のほうはほとんど減少していないとみられる。またセシウム以外の放射性物質については残存量自体の把握はほとんど行われていない。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190313/k10011845971000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_002