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「創コンサルティング」の海野みづえさんも転身。同社を終了、4月から山梨県北杜市に転居。「ビジネス中心の思考を手放し、生き方そのものを変革」へ(RIEF)

2020-03-27 13:56:18

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  我が国のCSR・サステナビリティ分野で活動してきた「創コンサルティング」の海野みづえさんが、今月末で同社を終了、4月1日からは山梨県北杜市に転居する。海野さんは今回の決断を「これまでのビジネス中心の思考を手放し、生き方そのものを変革(Transform)していこうというもの」と心境を説明している。

 

 先に、大和総研の河口真理子さんが、同社を退社して不二製油グループに転身することがわかった。河口さんや海野さんといった、一時代を築いてきた女性のCSRリーダーたちが相次いで転身するのは、今が「時代の分かれ目」に入っていることを映しているのかもしれない。https://rief-jp.org/ct14/100568

 

 海野さんは自らが配信する「サステナビリティ倶楽部レポート」の最終号で「主要事業の終了と変革への想い」と題し、今回の決断を伝えている。

 

 「創コンサルティング」の事業終了とともに、住まいも北杜市に移転、今後は個人での活動に切り替える、としている。海野さんは、1996年11月に同社を創業、CSR・サステナビリティの分野で独自の視点での情報発信とコンサル、アドバイザリー等の活動を続けてきた。

 

 海野さんの熱情と人柄に惹かれて、多くの企業、役所関係者が人脈を形成してきた。海野さんは23年間の活動を振り返って、「サステナビリティが世の中に問われ始めた初期より、各所でその必要性と意義を発信し、今日の企業や社会への浸透の役割を担ってきたと思っている」と、一つの手応えを語っている。

 

 そのうえで、「経済と社会の接点をビジネスの立場から関わる」という創業時からのスタンスが、2010年春頃から変わってきたことを吐露する。「この頃『キャピタリズムは終わった』といった論調があちこちでみられ、何やら世の中への不安感が膨らんできた。2011年に大震災が起こった際にはこれもそんな流れで出てくる事象の一つだと捉えた」。

 

 その後、一昨年に病気で入院したことも明かす。病室で「もう終わりかもしれない」「助かってもこのままずっと病室の人生かな」という経験をした。体調が回復した今日でも、「これからをどう生きるかということは、同時にどう死ぬかを受け入れ向き合うことだ」と思うようになった、という。

 

 「でもそれほど悲観的ではないんですよ」とも付け加える。そうしたこれまでの経験・体験の結果が、「生き方そのものの変革(Transform)」と名付けた今回の決断につながったようだ。

 

   最近のコロナウイルス問題にも触れている。「これまでのインパクトは自然災害が地方に及ぼすものばかりでした。新型コロナウイルスは人口密集の都市部で全世界が連鎖しあった拡散で、人間社会の中枢を直撃しています。何とか終息させて元通りのエコノミーに戻ろう、というのが今までの考え方ですが、それが正解なのでしょうか。これを続けていけなくなるのなら、自分の生き方を変えるしかないです。それも想念のレベルからtransformしていくことだと」

 

 これまで運営してきた企業向けの「サステナビリティ経営ネットワーク」は、来年度から開催主体を引き継いでもらい継続するという。転居先の北杜市では個人を対象に、八ヶ岳エリアでプログラムを行おうと考えている。農園栽培体験を組み合わせたプログラムで「企業とサステナビリティといった経営の話ではなく、海野個人の体験と考察に基づく講話会といったもの」と語る。北杜市からの発信に期待したい。

https://www.sotech.co.jp/

https://www.sotech.co.jp/csrreport/1508