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明治安田生命保険、「ESG投融資方針」制定。SDGsの達成への貢献を目指し、資産運用の意思決定にESG観点を組み込み。投融資目標額の設定や石炭火力等への融資方針は盛り込まず(RIEF)

2020-05-25 13:05:13

meiji1キャプチャ

 

 明治安田生命保険は、「ESG投融資方針」を公表した。生命保険会社として の社会的責任・公共的使命を果たすため、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献することを目指すとし、資産運用業務の意思決定にESG観点を組み込むことを推進すると宣言した。ただ、方針にはESG投融資額の目標や、石炭火力発電事業の取り扱い等の具体的な対策は盛り込まれていない。

 

 同社は4月1日付で、スチュワードシップ活動の高度化と国連支援の責任投資原則(PRI)に対応する専門部署として、証券運用部に「責任投資推進室」 を新設している。

 

 ESG投融資方針は、「目的」として「生保の社会的責任と公共的使命に基づき、資産運用業務を通じて、環境、社会、ガバナンスをはじめとする社会課題の解決、持続可能な社会の実現に貢献する方針を明確にする」としている。

 

 「基本的な考え方」では、経営理念の「確かな安心を、いつまでも」を踏まえ、SDGs達成に貢献することを掲げた。そのため、契約者への還元を最大化するための資産運 用による収益性の確保と、ESG投融資を通じた地域経済活性化等とともに、持続可能な社会の実現に貢献する資産運用を行なう、としている。

 

 「具体的取組み」としては、①投融資プロセスへのESG課題の組み込み②ESG課題の投融資先企業との対話および開示促進③ESG投融資の協働と高度化④ESG活動報告の充実、の4点を明記している。ただ、石炭火力発電事業向けの投融資の扱い等の個別セクター向け投融資方針等の明記はない。

 

 業界最大手の日本生命は「ESG投融資の取組方針」で中期経営計画(2017-2020年)で7000億円のESG投融資の数量目標を掲げるほか、クラスター弾や生物兵器、対人地雷、化学兵器の製造を行う企業や、気候変動への影響が大きい石炭火力発電事業への新規投融資を禁止している。

 

https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2020/pdf/20200522_05.pdf