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横浜市、東京海上日動と連携し、「浸水レジエンス債」発行。15億円。浸水対策のインフラ整備による災害防止や被害軽減効果を評価し、東京海上が低金利で引き受け(RIEF)

2025-10-11 01:02:16

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写真は、神奈川公園発進立坑の全景(増大した水量を地下調整池に流入させる入口)=東京海上日動の発表資料から引用)

 

 東京海上日動火災保険と横浜市は9日、水害などによる自治体の損害発生の防止・被害軽減を目的として、水害対策事業を資金使途とする地方債「浸水レジリエンス債」を開発した。資金使途は同市の3件の洪水対策事業に集中する。東京海上日動は、債券投資に際して、投資利回りに応じた評価に加えて、インフラ整備等で期待される自然災害の予防や被害の軽減効果を考慮し、通常の市債より0.02%低い1.795%の低利での引き受けを実現した、としている。

 

 「レジリエンス債」は期間10年。主幹事は、ゴールドマンサックス証券が担当した。資金使途先事業は、▼神奈川処理区エキサイトよこはま龍宮橋雨水幹線及び東高島ポンプ場整備事業 ▼西部処理区中和田雨水幹線下水道整備事業▼西部処理区中田南雨水幹線下水道整備事業、の3事業。このうち、神奈川処理区の事業は、30年に一度に経験するような大量の降雨に対応するもので、他の2事業は5年に一度起こるような降雨への対応度を確保するとしている。

 

 横浜市によると、気候変動等による大雨の影響で、全国各地で浸水被害が多発しており、市民の安心・安全を守るため、浸水対策を推進している。一方で、近年の金利上昇の影響を受け、資金調達にかかるコストが増大していると指摘。浸水対策の強化をできるだけ低コストで実施する必要性を強調している。

 

 東京海上日動は、これまで横浜市とは共同して防災セミナーを開催したり、地域住民や企業の自然災害リスクに関する理解促進を図るなどの、ソフト面での住民のレジリエンス向上に取り組んできたが、浸水対策事業に資金使途を特定した債券の購入によってハード面でのレジリエンスの向上にも取り組むとしている。

 

 レジリエンス債の金利引き下げが実現できるのは、自治体による洪水・浸水対策によるインフラ整備等で、自然災害の予防や被害の軽減効果が期待され、保険会社が提供する住宅保険等の保険金支払い額が低下する可能性が高まるためだ。さらに、東京海上日動は同レジリエンス債の発行・引受モデルを、横浜を皮切りに全国の自治体に広げることで、ビジネス拡大を見込める点も加味したとみられる。

 

 同社では、「横浜市が発行する浸水レジリエンス債の購入をモデルケースとして、他の地方自治体の水害対策事業を資金使途とした債券への投資を拡大し、地域の災害レジリエンスのさらなる向上に貢献していく」としている。

                            (藤井良広)

https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/zaisei/2025/1009sisai.files/1009sisai.pdf

https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/251009_01.pdf