HOME13 原発 |第一生命。北海道電力に対し30億円の「原発ローン」供給。日本生命の2月の同ローンと合わせ、生保大手で100億円供給。不祥事の多い生保業界への政府による「割り当て分」なのか(RIEF) |

第一生命。北海道電力に対し30億円の「原発ローン」供給。日本生命の2月の同ローンと合わせ、生保大手で100億円供給。不祥事の多い生保業界への政府による「割り当て分」なのか(RIEF)

2026-04-02 13:23:56

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 第一生命保険は、北海道電力に対して、同社が再稼働に向けて準備を進めている泊原発3号機の安全対策費用等を資金使途とする「トランジションローン」30億円を提供した。北電では、資金使途について、「原発の再稼働に必要な安全対策」等を資金使途とする同社の「グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」に定めるプロジェクトに限定するとしている。保険業界では日本生命が今年2月に北電に70億円を原発ローンとして提供しており、第一生命のローンも同様の「原発ローン」といえる。第一生命が電力会社に原発ローンを供給するのは初めて。

 北電は昨年(2025年)3月26日に「ほくでんグループ経営ビジョン2035」を公表し、サプライチェーン排出量(スコープ1+2+3)を2013年度比で2030年度に46%削減、2035年度に60%削減を目標に掲げた。同ビジョンを実現するために、「グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」を設定、フレームワークの資金使途先に、再生可能エネルギー 、原発、電化・省エネの推進など6分野を設定している。

 同フレームワークでは原発について、「カーボンニュートラルの実現に向けて、ほくでんグループ(北電)は、脱炭素電源である原子力発電と再エネを最大限活用していく。 このうち、特に重要となるのが脱炭素のベースロード電源である泊発電所の再稼働」として、泊原発の再稼働をカーボンニュートラル実現に不可欠としている。このため、第一生命からの融資資金も、先の日生からの原発ローンと同様、大半を泊原発の再稼働資金に優先的に充当するとみられる。

 第一生命は、同社の責任投資方針において、サステナブル投融資とスチュワードシップ活動を両輪とした責任投資を実践すると宣言している。その中で、「すべての資産の運用方針・運用プロセスにおいて、資産毎・地域毎の特性に応じサステナビリティを考慮」し、投融資にあたっては、将来にわたる持続可能な社会の実現に向けて、ポジティブなインパクトの創出を目指して取組む、としている。

 しかし、原発事業の最大課題である使用済核燃料の最終処分については、北電をはじめ、現在、原発事業を展開している全電力会社が最終処分場を持たないまま事業を展開しているのが実態で、同社の投資方針で明記する「将来にわたる持続可能な社会の実現に向けた取り組み」としては完結していないといえるが、そのことへの第一生命による言及はない。

 さらに原発については、ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシア軍が原発を軍事標的として占領する等の行動を展開しているが、軍事的脅威に対する安全対策を実行できている原発は国内に一基もないのが実態だ。「持続可能な社会の実現」からほど遠い状況にあることが、こうした直近の実例でも示されていることへの言及もない。

  北電は第一生命からのローンの受け入れについて、「本ローンを通じて、当社の積極的な脱炭素化移行への取り組みについて、金融機関をはじめとした幅広いステークホルダーの皆さまにより深くご理解いただくとともに、資金調達の多様化・安定化につなげたいと考えている」とコメントしている。

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北海道信用農業協同組合連合会(JA北海道信連)も、北海道電力にグリーンローンとして60億円を融資した。融資は北電が定める「北海道電力グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」に基づき、泊原発3号機の安全対策資金等に充当するとしている。

                        (藤井良広)

https://www.hepco.co.jp/info/2025/1253055_2068.html

https://www.hepco.co.jp/info/2025/__icsFiles/afieldfile/2026/03/31/green_tffw_202508j_1.pdf

https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/ecology/prevention.html