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東京海上日動 グローバル市場で日本企業が直面するサプライチェーンでの人権リスクを保険でカバー。CRT日本委員会と連携(RIEF)

2017-05-16 22:09:43

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 東京海上日動火災は、グローバル企業が各国に広がるサプライチェーンで庁面する可能性のある人権リスクを軽減する保険の仕組みを開発した。「 経 済人コー円卓会議日本委員会(CRT日本委員会)」と連携、同委員会のアドバイスで人権対応をとった企業で、人権リスクが発生した場合、迅速・的確な対応に必要な費用を、オーダーメイドの保険でカバーする。

 

 近年、日本企業は大企業にとどまらず、中堅・中小企業もグローバル展開が進行している。ただ途上国等で事業を展開する際、自社だけでなく、取引先のサプライチェーンでの多様なリスクにも対応することを迫られる。特に、取引先での強制労働や児童労働などの人権リス クが顕在化すると、自社のレピュテーションを大きく損なう可能性がある。

 

 そこで、海外でサプライチェーンの人権対応システムを構築するため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等を踏まえて、実際にグローバル企業のサプライチェーンでの人権リスク低減策への取り組み支援で実績のあるCRT 日本委員会と東京海上日動が連携した。

 

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 まず、グローバル活動をする企業は、CRT委員会のアドバイスを受けて「責任あるサ プライチェーン」の体制を整備する。次に、東京海上日動はそれらの企業に対して、万一、2次・3次製造委託先などで隠れた人 権リスクが発覚した際、緊急対策で必要な追加費用などをカバーする保険をオーダーメイドで設計・提供する。

 

 原材料や部品等の調達先企業で人権問題が発覚した場合でも、発注した企業の商品・サービスに対して不買運動などが起きる可能性があるためだ。そうなると、在庫の増大、廃棄の費用、調達先の変更費用などがかさむ。これらの費用を保険でカバーする。実際の保険料や保険金の支払限度額は、企業の業種や規模などを踏まえて、個別に設定する。

 

 CRT委員会は特定非営利活動法人で、サプライチェーンの人権リスク対応で保険会社と提携するのは初めて。人権リスクの社内対応と、リスクマネジメントとしての保険担保の整備は、機関投資家などからの評価にもつながるとみられる。

 

 保険会社にとっては、環境・社会・ガバナンス(ESG)リスクを、保険の市場として開発する一つの試みでもある。

 

http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/170510_02.pdf