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東京海上HD、アジア各地でのマングローブ植林活動での経済価値1185億円に達する。社会への貢献と、同社のカーボンニュートラルにも効果(各紙)

2019-07-18 12:33:11

Tokio3キャプチャ

 

 東京海上ホールディングスが1999年からアジア等で実施しているマングローブ植林活動による経済価値が、18年3月までの19年間の累計で1185億円に達したことがわかった。現地で魚介類の増加による漁獲高の向上、海岸の浸食防止、水の汚染防止等に貢献した。東京海上日動も17年度にカーボンニュートラルを実現している。

 

 (写真は、現地の子どもたちと一緒に、マングローブ植林活動をする東京海上の社員)

 

 日刊工業新聞が伝えた。東京海上グループは創業120周年の記念事業の一環として、社員の提案を受けて、99年からマングローブの植林事業を始めた。

 

 植林事業は、NGOのマングローブ植林行動計画(ACTMANG)、公益財団法人オイスカ、特定非営利活動法人国際マングローブ生態系協会(ISME)をパートナーとし、東京海上グループの社員や現地の住民らも参加する形で継続されている。

 

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 現在、植林活動を展開しているのは、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ミャンマー、ベトナム、インド、バングラデシュ、フィジーの9カ国。累計の植林面積は10550haに達し、これらのマングローブによるCO2吸収量は125万㌧となる。

 

 マングローブは「海の森」と呼ばれ、アジアやアフリカ、南アメリカなどの熱帯・亜熱帯地方で、海岸線や河口付近などの汽水域(海水と淡水が混じりあう場所)に生い茂る植物群の総称。CO2を吸収・固定するほか、高波や津波等の自然災害から人々の生活や生態系を守る「みどりの防波堤」の役割も果たす。2004年12月のインド洋大津波の際には、沿岸のマングローブ林のお蔭で、多くの人命が守られたとされる。

 

マングローブ植林の効果 命のゆりかご 生命の多様性の保全 環境啓発・人材育成 地域経済・社会への貢献 みどりの防波堤 地域・社会の安全 お客様・社会との協働 地球温暖化防止

 東京海上はインターネットで契約内容を確認できる「Web約款」に顧客が切り替えることで節約できる紙使用料の一部をこの環境活動に充てている。

 

 マングローブ植林による累計1185億円の経済効果の内訳は次のようになる。

 

 生態系の保護で、近海や沖合での漁業生産高が354億円増加、マングローブ林周辺の魚介類、木材、伝統薬などの生産物も142億円増加し、漁で生計を立てる住民14万人の生活を支えた。海岸の浸食防止で253億円、生活水の水源の汚染防止で297億円、異常気象による自然災害の被害軽減で126億円。

 

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 また植林したマングローブによって暴風雨、高潮、浸食などの被害を免れた住民数は194万人と推計した。東京海上では今後も植林活動を継続する予定で、2038年には累計の経済価値が3912億円に増大する見込み。

 

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00524372?isReadConfirmed=true