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住宅からのCO2排出量が建設から解体までのライフサイクルでマイナスとなる「LCCM住宅」。トヨタウッドユーホーム(宇都宮)が販売へ。温暖化意識の高い消費者に照準(RIEF)

2020-07-02 08:36:32

toyota001キャプチャ

 

 ネットゼロ住宅からカーボンマイナス住宅へ踏み込む住宅会社が出てきた。トヨタウッドユーホーム(宇都宮市)は、建設から解体までの住宅のライフサイクルで、CO2排出量がネットマイナスになる新たな環境配慮型木造枠組壁工法の注文住宅を開発、販売に乗り出した。LCCM住宅(ライフサイクル・カーボン・マイナス住宅)と呼ぶ。温暖化対策意識の高い消費者に照準を合わせた「移行戦略」の一つだ。

 

 同社によると、売り出す住宅は「Sun Bless NEO(サンブレス・ネオ)」の商品名。ツーバイシックス(2×6)工法を採用している。建設(製造・施工)から居住(消費・創エネ)、改修(修繕・維持)そして解体までの トータルライフサイクルでのCO2排出量がマイナスとなる。

 

 カーボンマイナスに貢献する省エネ対策としては、厚みが従来比1.5倍の高断熱壁で断熱性と遮音性を向上させるほか、断熱枠と高断熱複層ガラスの組み合わせで、玄関ドアの高断熱を高め、トリプルガラスのサッシ等でエネルギー効率を徹底的に追求している。いずれも標準装備だ。

 

LCCM002キャプチャ

 

 再生可能エネルギー対策では、8kW台の太陽光発電設備を屋根に搭載する。発電した再エネ電力は、デンソー製の充放電システム「V2H(ビークル・ツー・ホーム)」を経由して、余剰電力を電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などに蓄える。夜間には自動車に蓄電した電力を今度は、住宅に給電、使用できるようにした。

 

 例えばトヨタプリウスPHVの場合、ガソリンを満タン状態でアイドリング運転により充電することで、4日間の電力が使用可能になる。日産LEAFの場合、フル充電で同じ4日間の電力使用が可能になる。

 

ライフサイクルでのCO2排出量のイメージ
ライフサイクルでのCO2排出量のイメージ

 

 建物のデザインも、温暖化対応を意識している。夏季の日射遮蔽機能を高めるため、深い軒を持つ。また、外壁材5パターンを組み合わせて使うことで、豊富なバリエーションが選択できる。

 

 住宅のCO2マイナスの収支については、CASBEE評価によって環境効率(BEE):Sランク、ライフサイクルCO2:5☆(0%以下)の評価を得ている。さらに、IBEC(一般建築環境・省エネルギー機構)でLCCM住宅としての認定を申請中という。

 

 同社では、中長期の住宅コストや環境に対する意識の高い顧客層をターゲットとして、年間約30棟の販売を目指すとしている。消費税抜きの価格は1961万円から(北関東地区)。販売エリアは北関東3県に加え埼玉県、仙台市内でも展開する予定。

 

https://www.toyota-woodyou.co.jp/info/161