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セイコーエプソン、グリーンボンド発行、3種類700億円。国内工場での環境配慮機器の増産や、フィリピン工場への太陽光発電設備導入に充当(RIEF)

2020-07-10 18:06:34

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セイコーエプソンは10日、同社初のグリーンボンドの発行を公表した。ボンドは期間3年、5年、10年の3本で合計700億円。16日に発行する。資金使途は国内工場でのインクジェット複合機の増産のほか、フィリピン工場での太陽光発電設備の導入等に活用する。同社では昨年12月にグリーンボンドフレームワークを設定し、発行準備を進めてきたが、新型コロナウイルス発生拡大の影響で実際の発行が遅れていた。

 同社では「産業構造の革新」と「循環型経済の牽引」を重要テーマとして掲げ、事業分野でのイノベーションを目指している。特に環境面での取り組みを強化し、環境性能の高い商品を顧客に届けることで顧客の環境負荷低減に貢献できるとして、今回、そうした活動のために、環境に配慮した資金調達を活用すると位置付けている。http://rief-jp.org/ct4/97083

 初のグリーンボンドの主幹事は、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の2社。グリーンボンドのストラクチャリング・エージェントはみずほが務めた。国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則(GBP)への適合についてはSustainalytics社がセカンド・オピニオンを付与した。

 同社のグリーンボンドフレームワークでは、主な資金使途に太陽光発電事業等の10プロジェクトを選定している。今回、そのうちで、広丘事業所(長野県塩尻市)の新棟(名称:イノベーションセンターB棟)で使用する再エネ電力の拡大のほか、汚染水削減、排水利用による水質保全・水源管理、カートリッジの回収・リサイクルシステムの拡大等のプロジェクトを想定している。また、フィリピンの製造子会社では約3000kWの太陽光発電設備を設置する。

 当初の発行額は200億~300億円規模とみられていたが、コロナ後の経済社会での環境配慮への志向の高まり等も考慮し、大幅に発行額を増やした。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも資するものと、位置づけている。

https://www.epson.jp/osirase/2020/200710.htm?fwlink=jptop_news_20710

https://www.epson.jp/osirase/2019/191211_2.htm