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五洋建設、洋上風力発電所建設専用の大型「SEP船」の建造資金調達で、グリーンボンド100億円発行。1600㌧の吊り上げ能力保有の大型作業船。10月発行(RIEF)

2020-09-09 00:08:28

gopyoキャプチャ

 

 五洋建設は8日、洋上風力発電所用の大型専用船「SEP船」の建造費を調達するため、同社初のグリーンボンドを10月中に発行すると公表した。発行額は100億円。わが国での洋上風力発電事業の拡大を視野に、大型のクレーンを搭載したSEP船を開発することを目指す。

 

 (写真は、SEP船の完成予想図)

 

 同社が建設するSEP(自己昇降式作業台)船は、船体をジャッキアップすることで、気象・海洋条件の厳しい海域でも、安全性、精度の高いクレーン操作が可能。深度50mの海域でも、稼働でき、1600㌧の吊り上げ能力を保有する。10~12MW級の風車を建設できる。事業費総額は185億円で、このうち五洋建設が120億円分を負担、後は鹿島建設と寄神建設が分担する。

 

 同船はオランダのGustoMSC社が基本設計し、シンガポールのPaxOcean Engineering社が建造する。主クレーンはオランダのHuisman社製。完成時期は2022年9月の予定。同船のグリーン性については、グローバル基準のグリーンボンド原則(GBP)のほかに、英非営利団体Climate Bonds Initiative(CBI)が公表するMarine Renewable Energy Sector Criteriaを満たすとしている。

 

  同船は曳航式で、作業に当たってはディーゼル発電機を使用する。このためA重油の燃焼によるCO2、SOxの排出がある。だが、排出量が限定されるのと、風力発電建設というグリーン事業を推進する装置である点で、EUのグリーンタクソノミーにも該当するとされる。燃料油タンクの二重船体化、作業によって生じる廃棄物等は陸揚げされて産業廃棄物として処理する。

 

 グリーンボンドは期間5年、主幹事は、みずほ証券、野村證券、SMBC日興証券の3社で、グリーンボンド・ストラクチャリング・エージェントはみずほが担当する。グリーン性については日本格付研究所(JCR)がGBP等への適合を付与した。

 

http://www.penta-ocean.co.jp/news/2020/pdf/20200908-1.pdf