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森ビル、東京「虎ノ門・麻布台プロジェクト」開発資金として、初のハイブリッド型のグリーンボンド450億円発行。支払い順位は低いが資本性あり(RIEF)

2020-10-17 15:39:11

moribiru001キャプチャ

 

 森ビルは、東京・虎ノ門に建設中の「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の中心となるメインタワー等の設備資金に充当するため、ハイブリッド型のグリーンボンドを19日に発行する。発行額は450億円。同ボンドは劣後特約社債で支払い順位が低い一方、資本性があるという利点がある。ハイブリッド社債でのグリーンボンド発行は国内では初めてとみられる。

 

 森ビルが開発を進めている「虎ノ門・麻布台プロジェクト」(虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業)は、開発面積が約8.1haという広さ。高さ約330mのメインタワーを有するA街区を中心に、オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設などの多様な都市機能を融合させ、「ヒルズの未来形」と位置付けている。

 

 同プロジェクトでは、約6000m²の中央広場を含む緑化面積を約2.4haとっている。街全体でRE100に対応する再エネ電力を100%供給するほか、建設するビルについては米国のLEED認証によるグリーン性と、世界最大規模の登録面積となるWELL認証による働き易さ向上等の取得を目指す。019年8月5日に着工、2023年3月末の竣工予定。調達資金はA街区に関連する設備資金に充当予定としている。

「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の概念
「虎ノ門・麻布台プロジェクト」の概念

 

 グリーンボンドの償還期間は36年。クーポンレートは1.17%。2026年10月19日以降の各利払については、同社の判断で期限前償還が可能との条件を付している。ハイブリッド社債なので、社債の弁済順序は同社の一般の債務に劣後し、普通株式に優先する。債券の信用格付は日本格付研究所(JCR)からA-を取得している。

 

 主幹事は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券、SMBC日興証券、ゴールドマン・サックス証券の4社。グリーンボンド・ストラクチャリング・エージェントは三菱UFJモルスタが担当した。ボンドのグリーン性については、Sustainalyticsが市場基準のグリーンボンド原則(GBP)への適合性を付与した。

 

https://www.mori.co.jp/img/article/201013_1.pdf