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オリックス、スペインの再エネ企業エラワンエナジーを買収。買収額は総額約1000億円。グローバル再エネ事業展開の軸に位置付け(RIEF)

2020-12-29 08:06:23

Orix001キャプチャ

 

 オリックスはスペインの再生可能エネルギー事業者のエラワンエナジー(Elawan Energy S.L.マドリード)を買収すると発表した。2021年6月までに発行済み株式の8割を取得する。買収額は、エラワンが予定する増資分も含め約1000億円の見込み。同社は、スペイン等の欧州を中心に、南北アメリカ等14カ国で、太陽光、風力発電の開発・運営を展開している。

 

 (写真は、エラワンがスペインで展開する風力発電施設)

 

 欧州の現地法人ORIX Corporation Europe N.V.を通じて買収する。今後、スペイン当局の許認可取得手続きなどを経て、6月までに株式を取得する予定。残りの20%の株式はエラワンの創業者でCEOでもあるDionisio Fernandez氏が保有を続ける。

 

 エラワンは、スペインの産業グループACEKの再エネ部門で、2007年の設立。これまでに各国で設備容量合計約2.9GWの開発実績を有する。現在、約714MWの稼働プロジェクト、461MWの建設中事業のほか、10GW以上の開発パイプラインを確保しているという。同社は、開発から運営まで一貫して手掛ける専門性とその機能を有しており、オリックスはグローバルに再エネ事業を拡大する上での戦略的プラットフォームと位置付けるとしている。

 

 エラワンのFernandez氏は「オリックスと一緒に活動することで、エラワンがグローバル展開をさらに続けることができる。エラワンが新たな時代に入ることを、経営陣一同、歓迎している」とコメントしている。親会社ACEKの共同会長、Jon Riberas氏も「オリックスがエラワンに完全にコミットし、ACEKと長期的なビジョンと再エネ分野の専門性を共有したパートナーになることを歓迎する」と述べている。

 

 オリックスは、国内外での再エネ事業を展開中だ。国内で運用する太陽光発電事業は約1000MWと最大規模で、風力、地熱、バイオマスなども手掛けている。海外でも2017年に米国の上場地熱発電事業会社Ormat Technologies, Incに出資(約19.7%)したほか、2020年9月にインドの大手再エネ事業会社のGreenko Energy Holdingsの株式20%強を、同12月にはインフラ、再エネ等のファンド運営の英オルタナティブ資産運用のGravis Capital Management Ltd.の株式70%の取得でも合意している。

 

 今後は、エラワンを通じ海外企業を買収することも想定しているという。オリックスの再エネ事業収益は新型コロナウイルス感染拡大の下でも堅調で、20年4~9月期の部門利益は141億円と、前年同期比66%増。グループのホテル運営や航空機リース等はコロナの影響で不振だが、それらをカバーする勢いが続いているという。

https://www.orix.co.jp/grp/company/newsroom/newsrelease/201228_ORIXJ.html

https://www.orix.co.jp/grp/en/newsrelease/201228_ORIXE.html