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「グリーン」「サステナビリティ」への消費者の関心増大で、「ウォッシュ商品」も増大。欧州委員会のオンライン商品調査で判明。全体の42%が誇大‣虚偽等。日本でも大丈夫か(RIEF)

2021-02-03 12:49:15

sustainabilityキャプチャ

 

  「サステナビリティ」「グリーン」等の言葉が消費者向け商品・サービスでも広く使われるようになっている。ただ、実際にはサステナビリティとは関係ないのに、オンラインで販売される商品等の名称や広告に使う「グリーンウォッシュ」「サステナビリティウォッシュ」商品が増加していることが、欧州委員会の調査で明らかになった。調査対象全体の42%で誇大だったり、虚偽等と判断された。わが国でも、「SDGsウォッシュ」等の「ウォッシュ商品」の広がりが指摘されている。

 

 調査は欧州委員会とEU加盟各国の消費者当局が消費者保護協力ネットワーク(CPCネット)を活用し共同で実施した。調査にはEU加盟国のうち24カ国、非EUの欧州3カ国(英国含む)の27カ国が参加した。同委員会では毎年、主にオンライン市場での販売商品がEU消費者法に違反していないかどうかを一斉調査しており、今回、初めて「サステナビリティ」の動向を調べた。

 

 調査対象になったのは、EU内でオンライン取引されている商品のうちで、サステナビリティ等の言葉を広告に使っていたり、商品名そのものに使っているなどの344件。対象商品はオンライン販売の商品の広告のほか、販売会社のウェブサイトでの商品説明での表記等も調べた。対象となった商品分野は、衣料品、靴、化粧品、個人小物、家庭商品等が多い。

 

調査対象となった商品分野
調査対象となった商品分野

 

 その結果、全体の42%の商品が、グリーンを誇大に強調したり、消費者に間違った情報を提供する虚偽、欺瞞的な表示であるなど、消費者保護法に違反する疑いがあるとの結果となった。また半数以上の商品で、販売企業は、消費者がグリーン性を判断する上での十分な情報を提供していなかった。

 

 さらに37%は、「コンシャス」「エコフレンドリー」「サステナビリティ」等の表現をあいまいに使い、あたかも環境にネガティブな影響がないかのような印象を消費者に与えていたという。また59%は商品のサステナビリティ等の根拠を確認するエビデンスを提供していなかったという。

 

 欧州委員会「Justice」担当委員のDidier Reynders氏は「消費者が環境に良い商品を選好する傾向が高まっているので、グリーンウォッシュも増大している。消費者がグリーンライフを求めることに応えて、企業が環境に良い商品やサービスの生産を増やすことは望ましい。しかし、同時に、消費者の目を欺くウォッシュ商品を販売する業者も増大する」と指摘。取り締まりを強化する方針を示している。

 

 調査に参加した各国消費者当局は、調査結果を元に、それぞれの国の販売業者に対して必要な対応措置を求める。欧州委員会は、今後、広がるとみられるグリーン・トランジション等に伴う消費者保護を強化するための方策を強化する方針としている。同委員会では今年1月、消費者市場でグリーンウォッシュを防ぎ、グリーン・サステナビリティ商品の普及を後押しする「Green Consumption Pledge」 のイニシアティブを立ち上げている。

 

https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_21_269

https://ec.europa.eu/info/live-work-travel-eu/consumer-rights-and-complaints/enforcement-consumer-protection/sweeps_en