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ベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業を主導する三菱商事に対し、国内大手生保・資産運用会社5社がエンゲージメント活動実施。環境NGOの要請で判明。株主総会での対応が焦点に(RIEF)

2021-02-03 16:37:12

ngo001キャプチャ

 

 国内の大手生命保険・資産運用会社5社がベトナムでのブンアン2石炭火力発電所建設事業を主導する三菱商事に対して、同事業の継続を問うエンゲージメント活動を行っていることがわかった。環境NGO5団体が、三菱商事の主要株主98社に対して、ブンアン2事業撤退を求めるエンゲージメント活動や投資撤退(Divestment)を求める要請に対して回答した。

 

 (写真は、三菱商事本社前で、石炭火力発電事業からの撤退を求める環境団体のメンバー)

 

 環境NGOのFoE Japan等によると、環境団体は2020年12月に三菱商事へのエンゲージメントを求める要請書を送付した。三菱商事の株主に対し、環境団体からダイベストメントを求める要請書を送るのは2020年3月に続き2度目。

 

 要請書の内容は、投資家に対して①三菱商事に対し、株主の立場からブンアン2石炭火力事業から撤退するよう求めること。特に株主総会で、同事業からの撤退を求める株主提案を行うこと②上記エンゲージメントを行っても、三菱商事が石炭火力事業から撤退しない場合は、三菱商事からのダイベストメントを行うことーーを求めた。

 

 その後、1月28日までに、受領確認のみも含め15社から回答があった。そのうち、大手生命保険・資産運用の5社が三菱商事へのエンゲージメントを行っていると回答した、としている。回答を得た15社のうち、国内機関投資家は11、海外機関投資家4となっている。

 

 回答したある国内機関投資家は、「石炭火力事業に関し、環境への甚大な影響を鑑み厳しいESG評価をしており、企業との面談で長期的な企業価値を損ねる既存事業及び事業計画に関して縮小及び見直しをエンゲージメントを行い、さらにエンゲージ内容が長期に渡り受け入れられない企業に関しては、議決権行使を含む株主としてのアクティブ・オーナーシップを執行し圧力を継続している」と回答した。

 

 ただ、環境団体は「国内外からの反対や懸念の声が依然強いにもかかわらず、12月末に銀行団がブンアン2に係る融資契約の締結に踏み切ったことで、三菱商事にとっては弾みがついたと同時に、同社のブンアン2を継続する姿勢はより鮮明になった形となっている」と危機感を示している。

 

 そのうえで、今回、機関投資家のエンゲージメントの取り組み情報が得られたことを踏まえ、脱石炭方針を持つ機関投資家等を中心として、株主総会での行動も含め、三菱商事へのエンゲージメントや働きかけを強化するよう求めていくとしている。

https://www.foejapan.org/aid/jbic02/va/210202.html

https://sekitan.jp/jbic/2020/12/23/4937