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キャシー松井氏ら、4人の金融ウーマンが、ESG重視型のグローバルベンチャーキャピタルファンドを立ち上げ。社会課題を技術力で解決を目指す起業家支援(RIEF)

2021-06-04 12:17:40

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  金融界で活躍する金融ウーマンたちが、ESG重視型のグローバル・ベンチャーキャピタル・ファンドである「MPower Partners」を立ち上げた。ファンド規模は1億5000万㌦(約160億円)と想定している。社会的課題をテクノロジーの力で解決することを目指す起業家を支援するもので、ESGを経営戦略に組み入れることで持続的な成長を促すことを目的とするとしている。女性の活躍支援というESGの重要テーマの一つを、女性金融人たちが実践する形だ。

 

 ファンドを立ち上げたのは、元ゴールドマンサックスで活躍したキャシー松井氏、OECD東京センター長を務めた村上由美子氏、モルガンスタンレー等の関美和氏、同、鈴木絵里子氏の4人。松井氏ら3人がゼネラル・パートナーに、鈴木氏がマネジング・ディレクターになる。同ファンドのミッションに、SOMPOホールディングス、第一生命保険、三井住友トラスト・ホールディングス等が賛同し、リミテッド・パートナーとして参画する。

 

 設立の趣旨として「スタートアップが持続的に成長し、世界にインパクトを与える規模に拡大するためにはESGを成長戦略の一部として組み入れることが不可欠。成長性のあるスタートアップにESGを実装することが、金融市場、ひいては社会全体の健全な未来をもたらす」と説明している。

 

 ファンドの投資対象は、ヘルスケア/ウェルネス、フィンテック、次世代の働き方/教育、次世代の消費、環境/サステナビリティを重点投資分野にするとしている。これらの分野で、成長ステージにある日本のスタートアップ企業および一部海外のアーリーステージのスタートアップ企業に投資を行う予定。



 ファンドを立ち上げた松井氏は、ゴールドマンサックス証券のチーフ日本株ストラテジストや日本副会長を務めてきた。1999年には「ウーマノミクス」を提唱し、女性活躍推進を主導してきた。村上氏もOECD勤務の前は、ニューヨーク、ロンドンのゴールドマンサックスに勤務した経験を持つ。

 

 関氏はモルガン・スタンレー投資銀行部門を経てクレイ・フィンレイ投資顧問元東京支店長のほか、自らベビーシッター会社メイコーポレーションを立ち上げた経験もある。鈴木氏もモルガン・スタンレー勤務のほか、米国のドローンベンチャーの日本法人を立ち上げた。ゴールドマンサックス人脈とモルスタ人脈がタッグマッチを組んだ形でもある。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=000000001.000079736&g=prt