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資産運用大手の「アセットマネジメントOne」。運用資産の53%(30兆円)を2030年までにネットゼロとする中間目標設定。新規ファンド設定やエンゲージメントを強化(RIEF)

2021-09-11 18:41:37

AMOneキャプチャ

 

 資産運用大手のアセットマネジメントOne(AM-One)は10日、2050年までに運用資産ポートフォリオのネットゼロ化の中間目標として、2030年までにネットゼロ運用資産を全体の53%に相当する30兆円とすることを決めた。同社は、グローバルな資産運用会社が構成する国際イニシアティブ「Net Zero Asset Managers initiative(NZAM)」に参加しており、今回、NAMの枠組みに沿って目標設定を明確にした。

 

 AM-Oneの運用資産額は、57兆円(2021年3月末時点)。2030年のネットゼロ運用資産の中間目標53%、30兆円については、5年ごとに段階的に見直して、50年までにネットゼロ100%の実現を目指す。

 

 同社は、NZAMが2020年12月11日に発足時から加盟しており、NZAMのステアリング・コミッティーの「アドバイザリー・グループ」の一 員でもある。NZAMは当初は30社だったが、現在(今年7月時点)は128社に増え、その運用資産総額は約43兆㌦(グローバルな資産運用総額の40%超)。資産運用業界のネットゼロに向けた取組みの推進役となっている。

 

 NAZMは①世界の気温上昇をパリ協定の「1.5℃目標」に抑えるため、2050年もしくはそれ以前に、投資をネットゼロに整合させる貢献にコミットする②すべての運用資産で、ネットゼロを達成する目標に沿って、アセットオーナー協働する③2050年までにネットゼロ達成に向けた運用資産割合の中間目標を設定する④資産の100%をネットゼロとするまで中間目標の運用割合を段階的に引き上げ、その中 間目標を少なくとも5年ごとにレビューする――等を定めている。

 

 今回のAM-Oneの中間目標は、こうしたNAZMの取り組みに基づく。中間目標設定を踏まえ、同社では、対象ポートフォリオのうち、ネットゼロ達成のシナリオに沿う資産をより増やすため、ESG課題を明瞭にしたアクティブファ ンドを立ち上げるほか、パッシブファンドにおいても、インデックス連動運用だけでなく、ネッ トゼロに向けた投資先企業へのエンゲージメントを明確化したファンドを設定するとしている。

 

 エンゲージメントについては、これまでもスチュワードシップ活動として投資先に対して、脱炭素に向けたビジネスモデルの転換を促してきたが、これをさらに積極的に後押ししていくとしている。 社会全体・市場全体でネットゼロへ向かうとの観点か ら、投資引き揚げ(ダイベストメント)への取組みよりも、継続的なエンゲージメントによる改善の働きかけを優先する。度重なるエンゲージメントにかかわらず取組みの進まない企業に対しては取締役選任議案への反対等を検討すると明言した。

 

 加えて、2050年ネットゼロ達成に向け、政府や関係諸機関との連携、取組みを強化するとしている。すでに、TCFDコンソーシアムや、関係省庁での取り組みに参画しており、これらの取り組みを通じて、インベストメントチェーン全体での取組みを進めるためのサポート を継続していくとしている。

http://www.am-one.co.jp/pdf/news/259/210910_AMOne_newsrelease.pdf