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味の素、同社初のサステナビリティボンド100億円、10月に発行。タイ工場でのバイオマスコジェネ発電や、高たんぱく医療食品開発企業への出資等に充当(RIEF)

2021-09-28 23:01:35

ajinomotoキャプチャ

 

 味の素は28日、同社初となるサステナビリティボンドを10月に発行すると発表した。発行額は100億円。調達資金は環境分野では、タイ工場でバイオマス燃料を使うコージェネレーション(熱電併給)設備の導入費用等に、社会分野では、高エネルギー・高たんぱく医療食品を開発するアイルランド企業への出資資金に充当するとしている。

 

 (写真は、バイオマスコジェネ設備を導入する味の素のタイ工場)

 

 発行するボンドは、期間7年、主幹事は、みずほ証券、野村證券、 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の3金融機関。みずほがストラクチャリングエージェントを務める。格付投資情報センター(R&I)が国際資本市場協会(ICMA)のサステナビリティボンドガイドライン(SBG)等への適合を評価した。

 

 資金使途は大きく3分野に分かれる。一つはタイ北部のカンペンペット⼯場へのコジェネレーション設備導入費用。同工場は、グルタミン酸ナトリウムと核酸の主要製造拠点。現在稼働中のバイオマスボイラーとオイルボイラーに代えて、蒸気の発生と発電の両方が可能なバイオマスコジェネ設備に切り替える。2022 年 5 月に稼働開始予定。燃料は全て地元で排出される籾殻を使用するので、カーボンフリーとなる。

 

 もう一つは、アンモニアオンサイト生産技術研究開発となる、つばめBHB 社への出資。同社は、味の素が2017年4月にUMI (ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター社、東京工業大学の細野秀雄栄誉教授らと設立した会社で、地産地消型のアンモニア生産・供給システム構築を目指す。アンモニアから製造する窒素は肥料として世界の食料生産に重要としている。

 

  社会分野では、アイルランドのニュアルトラ社への出資資金に充当する。同社は高エネルギー・高たんぱく医療食品を開発し、英国とアイルランドで販売もしている。味の素は2020年12月に同社の株を米・味の素キャンブルックを通じて取得した。ニュアルトラ社は、疾患による食事制限や、加齢による栄養欠損に陥っている 高齢者向けに、高エネルギー・高たんぱく医療食品の一種であるオーラルニュートリションサプリメン ト3(ONS)製品を開発・販売している。

 

 味の素は、「本SDGs債(サステナビリティボンド)は当社グループが『食と健康の課題解決』における『10億人の健康寿命の延伸』と『環境負荷の50%削減』という二つのアウトカムの実現に向けたプロジェクトを資金使途に設定するもので、策定したフレームワークは、サステナブルファイナンスに取り組む意義に合致するとともに、 ポジティブ・インパクトを社会にもたらすものと考えている」とコメントしている。

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter_topics/2021_09_28_02.pdf?1632835703502