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ロシアへの経済制裁で、日本の個人投資家向けの「ロシア株投信」が取引停止状態に。主要10投信約250億円が、購入や解約ができず凍結状態(RIEF)

2022-03-02 21:36:56

日興アセットキャプチャ

 

 ロシアのウクライナ侵攻に対する西側諸国の経済制裁の影響から、モスクワ証券取引所の取引が停止されているほか、資金決済も凍結されていること等から、日本国内で販売されているロシア株関連の投信が相次いで、設定や解約の停止に追い込まれている。経済紙等の推計では、2日時点で主要投信だけで10本に達し、凍結状態に陥っている資金は少なくとも249億円に上るという。

 

 欧米では、ロシアのウクライナ侵攻に抗議する形で、資産運用会社がロシア株への投資を引き揚げる動きが広がっている。わが国で起きている事態は、そうした資産運用会社主導の投信停止ではなく、ロシア株自体の取引ができないために生じている。

 

 ロシア中央銀行は国内の証券会社に対し、ロシア非居住者による 証券売却の仲介を28日から禁止する指示を出していることも、日本国内での「ロシア投信」の取引が宙に浮くことにつながっている。

 

 たとえば、資産額62億円でもっとも多い日興アセットマネジメントの「日興BRICs株式ファンド」は、ブラジル、ロシア、インド、中国のBRICs4カ国の成長企業株を対象とし、ロシア株は22.7%(1月末のレポート)。同社は1日に、設定・解約申込みの受付を中止する、と発表した。https://www.smbcnikko.co.jp/inv_pdf/5245mr.pdf

 

 また、大和アセットマネジメントも、同社が運用する個人向けの「大和・ロシア株ファンド」の購入、解約の受付中止を発表した。アムンディ・ジャパンはロシア株だけでなく、東欧株も組み合わせた「アムンディ・ロシア東欧株ファンド」を販売しているが、投資資金の50%以上をロシアにシフトさせていたため、同様に取引停止となっている。

 

 QUICKによると、そのほかにも、ドイチェ・ロシア東欧株式ファンド、DWS ロシア・ルーブル債券投信等の10投信が凍結状態になっているという。

https://www.daiwa-am.co.jp/news/20220301_90.pdf

https://www.nikkoam.com/files/lists/news/2022/news0301_02.pdf

https://www.amundi.co.jp/report/pdf/fund/20220301/20220301.pdf