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国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)、初の理事会開催。ドイツ・フランクフルトで。中国、韓国の代表も積極的に発言。日本は理事指名が決まらず、参加できず(RIEF)

2022-07-21 00:24:06

ISSB001キャプチャ

 

 IFRS財団の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は20日、初の理事会を開催した。会議は本部のあるドイツ・フランクフルトで開催され、その模様はオンラインで公開された。会議には議長のエマニエル・ファベール氏(仏)をはじめ、すでに選出されている理事メンバー10人中9人が対面での会議に出席した。

 

 (写真は、ISSB初理事会の模様。会議室で対面で行われ、その模様はオンラインで公開された)

 

 理事会は初回ということで各理事の自己紹介の後に、全体的な意見交換と、今後検討が必要と考えられる課題に絞った自由な議論を行った。理事メンバーは現在、10人が指名されており、14人の定員中残り4人について、ファベール氏は「日本のメンバーと他に欧州から2人、専門家1人について9月末までに参加する予定」と述べた。https://rief-jp.org/ct4/126718?ctid=71

 

理事会に出席した韓国代表のTae-Young Paik氏㊧と、中国代表のBing Leng氏㊨
理事会に出席した韓国代表のTae-Young Paik氏㊧と、中国代表のBing Leng氏㊨

 

 中国からのBing Leng氏(中国財務省出身)と韓国のTae-Young Paik氏(Sungkyunkwan University教授)は、それぞれ「アジア太平洋地域代表」として参加した。日本の理事指名は、国内事情で遅れている模様だ。Leng氏はISSBの傘下にクライテリア等の諸課題を検討するワーキンググループの設置を提案、Paik氏もサプライチェーン課題での市場調査を提案するなど積極的に発言した。

 

 初回の理事会では、多様なテーマで意見が交わされた。その中では、財務報告を定める国際会計基準審議会(IASB)とISSBの連携(connectivitiy)の議論や、気候・サステナビリティ情報開示に際してのクライテリア、産業別・業種別の基準を示すサステナビリティ会計基準審議会(SASB)基準の共通化課題、企業の「移行計画」に気候変動に加え、ソーシャル課題を盛り込む等の点で意見が交わされた。

 

 理事会は21日も引き続き開かれる予定。

                                                                                                                                  (藤井良広)

https://www.ifrs.org/webcast/?webcastid=0_g7btfusv&wid=0_wgqyl6uf