HOME4.市場・運用 |日銀。2月に発行予定の「GX移行債」の金融政策上の取り扱いを公表。利付国債と同様の扱い。国債買い入れオペ、金融機関が日銀に差し出す担保にも充当。「単に国債の増発」に過ぎないとの立場か(RIEF) |

日銀。2月に発行予定の「GX移行債」の金融政策上の取り扱いを公表。利付国債と同様の扱い。国債買い入れオペ、金融機関が日銀に差し出す担保にも充当。「単に国債の増発」に過ぎないとの立場か(RIEF)

2023-12-07 18:20:43

BOJ002キャプチャ

 

 日銀は7日、政府が来年2月に初回の発行を予定するGX(グリーントランスフォーメーション)政策での資金調達手段である「GX経済移行債」を、日銀の金融政策の対象に含めると発表した。具体的には、国債買い入れオペ(公開市場操作)の対象にするほか、国債の条件付き売買や国債補完供給の市場操作、さらに金融機関が日銀に差し出す担保としても既存の国債と同じ扱いとする。日銀が気候対策で民間金融機関に供給している気候変動オペの対象にも含める。GX移行債は単に国債の増発に過ぎない、ということのようだ。

 

 GX政策は「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」を根拠とする。同法ではGX移行国債は、「脱炭素成長型経済構造移行債」と名付けられている。ただ、日銀は同国債を、より簡素に「クライメート・トランジション利付国庫債券」と呼んでいる。通常の利付国債の一つとの位置づけだ。

 

 日銀によると、GX経済移行債は、「国債売買基本要領、国債の条件付売買基本要領、補完供給を目的と して行う国債の買戻条件付売却基本要領等で定める『利付国債』、適格担保取扱基本要領で定めている『普通国債』に該当する。 したがって、国債売買等のオペ等や担保受入れでの取り扱いは、既発 の利付国債、普通国債と同様」と説明している。

 

 また日銀が2021年末から実施している気候変動対応オペの適格担保の対象にも含める。同オペは日銀と取引のある金融機関に対して、投融資先へのグリーンローン、グリーンボンド等のESGファイナンスの資金を、金利ゼロで日銀が貸し出す制度。期間は1年。同制度による投融資額は9兆6829億円(今年3月末)に達している。

https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2023/mpr231207b.pdf