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水処理大手メタウォーター社。同社初のブルーボンド発行。100億円。資金使途先は、自治体等の水処理事業等を請け負うコンセッション事業等(RIEF)

2023-12-21 23:22:04

Metawater

 

 水処理事業大手のメタウォーターは、同社として初となるブルーボンドを発行した。発行額は100億円。調達資金の使途先は、自治体等の水処理事業を特別目的会社(SPC)を通じて行うコンセッション事業でのSPCへの投融資資金や、同事業以外の国内外での水処理事業への投融資資金等に充当する。同社がESG債を発行に踏み切ったのも今回が初めて。本業が水処理事業ということで、最初のESG債からブルーボンドに特化した形だ。

 

 発行したボンドは期間5年。利率は年0.734%。主幹事は、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券、SMBC日興証券の4金融機関。ストラクチャリングエージェントはみずほが務めた。ブルーファイナンスフレームワークに対する第三者評価は、DNVビジネス・アシュアランス・ジャパンが国際金融公社(IFC)の定める Guidelines for Blue Finance等への適合を付与した。

 

 資金使途先のコンセッション事業は、国や自治体が所有権を有する水関連事業について、同事業の使用権を譲渡されて行う事業を総称する。当該水処理事業には、水道事業、工業用水事業、下水道事業等が含まれる。これらに加えて、他の水処理事業専業企業に対する投融資も含めて「持続可能な水処理事業」を適格クライテリアとしている。対象となる事業は、ボンドの発行から4年程度以内に実施した事業のリファイナンス分も含む。

 

 同社は、持続可能な水・環境インフラを目指し、国内外で「水道」「下水道」 「資源リサイクル」の3事業領域において 「設計・建設(EPC)」 「海外」「運転・維持管理(O&M)」 「公民連携(PPP)」の4事業を展開している。直近、手掛けたコンセッション事業には、熊本県有明・八代工業用水道運営事業(2021年4月開始)、上水道、工業用水道、下水道の国内初の3事業一体のコンセッション事業となった宮城県上工下水一体官民連携運営事業(22年4月1日開始)等がある。欧米の水環境市場でも上下水道処理設備の開発・設計・製造・メインテナンス等の事業を展開している。

 

 わが国でのブルーボンドの発行は、昨年11月に水産大手のマルハニチロが富山県で実施するサーモン陸上養殖事業等の環境持続型漁業・養殖事業の事業費として50億円を発行したのが最初だ。今年に入って、岩手県が三陸の海洋・沿岸保全等を資金使途とするブルー/グリーンボンド(50億円)、商船三井が100億円、千葉市が30億円の各ブルーボンドを発行するなど、官民それぞれが水・海洋関連の事業を資金使途先としたボンドを発行、広がりを見せている。https://rief-jp.org/ct4/129705?ctid= https://rief-jp.org/ct4/136057?ctid=

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08491/fff32b27/8fc1/485b/b1ec/c019d41c33ec/140120231026572196.pdf

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08491/460c1503/3463/40a9/b960/4f8a73177a01/140120231201598094.pdf