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CalPERSが社会的責任投資の視点から、イランとスーダンでビジネスを行う企業の株を手放す方針

2011-05-21 01:29:26

米カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)は今日(5月17日)、米政府と国際社会の制裁の影響を受けて、イランとスーダン両国経済の特定の分野で操業している会社の株を売却する計画を採択した。これらの会社の新規投資に関しても同様に凍結される。

米政府と国連、それに欧州連合(EU)が2010年に採択した両国に対する強力な制経制裁は、いくつかの大規模な多国籍石油企業やエネルギー企業を両国でのビジネスから撤退を促してきた。

 CalPERSはかつて両国合わせて47社に対して総額2000億ドル相当の投資をしていたが、2006年と2007年にカルフォルニア州で制定された両国向け投資引き揚げに関する法律とによって、現在の投資対象は、イランとスーダンでわずか8社、160億ドル相当の株式を保有するだけになっている。

 CalPERSでは2006年に、初めてスーダンからの投資引き揚げの方針を採用した。それ以降、同基金はこの投資方針と一致する会社とだけ契約を維持している。「これら8社の会社株式保有の費用は、これらを売却する価値よりも大きいが、受託者責任の立場から保有し続ける」「こうしたスタンスはわが基金にとってもっとも望ましい」と、CalPERSの会長であるRob Fecknerは述べている。

 CalPERSの投資委員会の議長であるGeorge Diehも次のように言う。「私たちは両国の投資から引き揚げる株を、集中的にではなく、むしろ時間をかけて売ることによって、この政策の実施に伴う諸コストを軽減し、埋め合わせができると考えている。また、これらの株の売却を、われわれのグローバル株ポートフォリオの過剰配分の調整のために、活用することができ、それによって、エンゲージメント(社会的貢献活動の実施)にかかわる費用を持続的に削減できるだろう」

CalPERSは約2360億ドルの資産を持つ全米最大の公的年金基金である。CalPERS年金支給額は毎月、平均2220ドルである。160万人以上に退職年金を提供し、会員である公立学校及び地方公共団体の従業員、退職者とその家族計130万人に対しても、医療・健康サービスを提供している。

CalPERSの連絡先 http://www.calpers.ca.gov/.

英語版 http://financegreenwatch.org/?p=1106.