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東電は投資不適格。 S&Pが、一気に5段階の格下げ、ただ最悪とはせず(各紙)

2011-05-31 01:01:04

各紙の報道によると、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は30日、東京電力の長期的な会社格付けを、現在の「BBB」から、投資不適格(BBプラス以下)とされる「Bプラス」へ、一気に5段階引き下げた、と発表した。。「Bプラス」は、全21段階のうち上から14番目。

 S&Pは格下げの理由として、約1兆2000億円の税引き後赤字を計上した2011年3月期連結決算の結果、大きく財務内容が悪化したことを指摘。さらに、福島第一原子力発電所事故の損害賠償に対する政府支援や決定時期などが不透明である点を挙げた。ただ、S&Pなどの格付け会社は、事故前まで、津波対策や電源対策の不備があったにもかかわらず、東電の格付けを最上位に据え置いており、格付け評価の甘さを指摘する向きもある。

震災後にS&Pが東電を格下げするのは4回目。社債などの東電の長期優先債券の格付けは「債務不履行となる蓋然性が銀行借り入れより低い」との理由から、2段階格下げの「BBプラス」にとどめた。今回の引き下げを最悪としなかった点について、S&Pは、取引銀行から債権放棄や既存融資の金利減免などの金融支援を受ける可能性が出ていることなど理由としてあげた。社債の格下げが2段階にした点も、「電力会社の社債の一般担保は電気事業法上、損害賠償よりも優先し、政府が債務不履行にする可能性は低い」とみている。