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国連の責任投資原則(PRI)から デンマークの6大年金基金が脱退、ガバナンス機能への不満解消せず(FGW)

2014-01-13 16:22:46

PRIに反旗を翻したデンマークの年金基金ATP
PRIに反旗を翻したデンマークの年金基金ATP
PRIに反旗を翻したデンマークの年金基金ATP



国連主導の責任投資原則(PRI)の運営を巡る摩擦が表面化した。デンマークのATPをはじめとする6つの年金基金がPRIからの脱退を宣言、実際に今年の年初から関係遮断となっている。デンマークの年金基金らの言い分は、2010~11年にPRI執行部が実施した組織変更が署名機関の了解なしに実施された点への不満とみられる。

 

 デンマークの6機関は、ATPのほか、産業年金基金、年金デンマーク、PFA年金基金、PKA、そしてSampension。これらの6機関を合わせると3億ドルの資産規模を抱える。



 6機関は共同声明のなかで、「PRIはその活動を通じて、世界中にガバナンスの重要性を強調、責任投資を広めていくうえで重要な役割を演じてきた」と評価しながらも、「PRI自身のガバナンスが、この基本基準に照らして期待に沿ったものになっていない」と脱退の理由をあげている。

 

 ガバナンスの巧拙も、投資判断に反映させることを活動の主眼としているPRI自体が、ガバナンス構造の問題を指摘された形だ。


 具体的には、PRIの執行部が2010~11年に実施した組織変更に際して、十分に署名金融機関の意見を反映させずに実施した点をあげている。6機関は、PRIが民主的な体制に戻らない限り、再署名しない方針だ。ただ、環境・社会・ガバナンス(ESG)の正否を投資判断に組み込むPRIの責任投資推進の6つの原則については引き続き尊重して自らの資産運用において実践することを宣言している。

 

 デンマークの年金連合の”反乱”に対して、PRIの現執行部は、脱退申請を受け取ったことを認めたうえで、執行部でガバナンス問題についての検証を行っていることを明らかにした。

 

ATP Senior Press Officer, Svend Aagaard Nielsen +45 4820 4527

Industriens Pension Head of Communications, Jens Almegaard +45 4030 7230

PensionDanmark International Press Officer, Kaare Pedersen +45 5114 1688

PFA Pension Director, Corporate Communications & People Management, Søren P. Espersen +45 4036 6150

PKA Head of Press, Thomas Knudsen +45 3945 4517

Sampension Chief Investment Officer Henrik Olejasz Larsen +45 7733 1800

http://www.atp.dk/X5/wps/wcm/connect/6e4ff6004234c73388a1acd1ecd11fed/ATP+Factscheet+PRI_ENG_FINAL.pdf?MOD=AJPERES

http://www.unpri.org/whatsnew/pri-responds-to-danish-signatory-delistings/