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農業用地への責任投資原則 公表される。農林中金など日本勢は不在(FGW) 

2011-09-09 20:55:58

オランダABPの Xander den Uyl 氏
英国のBT 年金スキーム等8つの欧米の機関投資家は、農業用地への投資に際して責任投資原則(PRI)の考え方を援用した基本原則を立てた。同原則はFarmland Principles(FP:農業用地原則)」と呼ばれ、国連のPRI原則に基づく特別アセットクラスのガイドラインとして位置づけられる。

オランダABPの Xander den Uyl 氏




 新原則を打ち立てたのは、BT年金のほか、スウェーデンのAP2, オランダのPGGM, ABP, APGの3機関。デンマークのATP、英国のHermes EOS それに米国の保険関連のTIAA-CREFの8機関。これらの機関の運用資産は合計で1.3兆㌦に達する。いずれもPRIの署名機関でもある。

農業用地への投資は、株式投資との相関性が低いことや、投資資産の多様化の観点から、世界的に増加傾向にある。投資としては長期投資であるほか、都市近郊での野菜栽培や果樹栽培等、確実にキャッシュフローが見込める要素も大きい。一方で、農業用地は周辺環境との関係が深いほか、農業者、農家等との社会的連携も深い。そのため投資に際しては他の資産以上にESGの視点が必要になる。

ABPの vice chairman of the board of trusteesである Xander den Uyl 氏は、「我々の原則は他の投資家にとっても、農業用地投資を実施する際のモデルになることを望む」と語っている。

Farmland Principlesの5原則は以下の通り。

  • 環境の持続可能性を促進すること(Promoting environmental sustainability)

  • 農業労働や人権を尊重すること(Respecting labour and human rights)

  • 現状の土地と関連資源の権利を尊重すること(Respecting existing land and resource rights)

  • 高いビジネスと倫理的標準を維持すること(Upholding high business and ethical) standards

  • 同原則を実行し、さらに促進に向けての活動とその発展を報告すること(Reporting on activities and progress towards implementing and promoting the principles )


 

原則:http://www.unpri.org/commodities/Farmland%20Principles_Sept2011_final.pdf