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国際協力機構(JICA)が個人投資家向けの債券発行で資金調達  12月に実施(FGW)

2011-10-07 18:08:12

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独立行政法人国際協力機構(JICA)は、新たな資金調達の一環として、主に日本の個人投資家を対象とした「JICA債」を今年12月に発行する。JICAは途上国の経済社会インフラ整備などのために、途上国に低利で長期資金を供給して、そうした基盤整備を促進する有償資金協力を実施しており、新規資金はそうした資金調達の一環として実施する。

JICAの円借款などの有償資金協力は、途上国自らが事業を実施する「オーナーシップ」を促進する形で推進されている。こうしたJICAの援助方針は、途上国の貧困撲滅と初等教育の普及、環境の持続可能性確保などの8分野の整備を目指す国連ミレニアム開発目標(MDGs)に沿ったものといえる。JICAは2009年12月に初めて機関投資家向け財投機関債を発行、円借款原資を定期的に機関投資家向け債券発行で調達しているが、新たに、個人投資家向け債券での調達を始める。

わが国の個人投資家向け国際金融機関等の債券発行は、世界銀行のグリーンボンドなどが成功裡に行われており、EBRD、IFAなども追随している。日本人個人投資家は、債券の利回りだけでなく、自らが投じた資金が環境や社会的活動のために使われることを評価して、国際金融機関発行の債券を購入してきた。遅まきながらJICAも、世銀等にならって、日本人個人に照準を合わせた資金調達を行う。成功すれば機関投資家向けと同様に、定期的に発行する予定。

初回の「JICA債」発行に際して、SMBC日興証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事を務め、大和証券キャピタル・マーケッツが事務取扱となる。発行時期は12月の予定。

http://www.jica.go.jp/press/2011/20111004_01.html