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東電、CDS保証料率が最高水準に(各紙) ジワリ

2011-10-12 11:08:50

企業などの信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で11日、東京電力の保証料率が急上昇した。5年物のCDS保証料率は12.24%(QUICK調べ)と前週末に比べ2.86ポイント上昇し、過去最高水準となった。格付け会社による格下げなどが響いた。


 格付投資情報センター(R&I)は今月7日、電気料金の引き上げによる事業収支の黒字確保などに不透明感があることなどから、東電の発行体格付けをシングルAマイナスからトリプルBに2段階格下げした。




 一般的な投資適格とされる水準は維持している。しかし企業年金などの中には債券の運用銘柄の組み入れ基準を「最低1社がシングルA以上」とするところもあり、他の格付け会社の動向次第では投資を見直す機関投資家が増えかねないとの懸念が市場で広がった。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C889DE1E7E7E2E4E2E3E2E3E3E3E2E0E2E3E39686E2E2E2E2

▼東電債が急落、含み損は6800億円

国際決済銀行によると、日本の金融機関が保有するギリシャ国債は16億3100万ユーロ(約1700億円)だ。解体が決まった仏・ベルギー系の金融大手デクシアは38億ユーロ(約4000億円)のギリシャ国債を持っていた。最悪の事態が訪れても、日本への影響は「ハチに刺された程度」かもしれない。しかし、東京電力債の下落による影響は無視できない。格付けの引き下げを受けて11日には東電債が急落し、投資家が抱える含み損の合計は6800億円に膨らんだ。