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国際スマートグリッド推進団体(GSGF) 蓄電池を電力網側へ統合を規制で促進すべき、と提言(RIEF)

2016-01-29 21:26:54

Batteryキャプチャ

 各国のスマートグリッド推進団体で構成する国際団体「グローバル・スマートグリッド・フェデレーション(GSGF)」は、グローバルベースで蓄電池を系統グリッドに組み込むことが電力網の経済合理性を高める、と指摘するレポートを発表した。

 

  周波数の変動する太陽光や風力発電などの再生可能エネルギー発電を電力網に取り込むに際して、蓄電池の活用が求められるが、蓄電設備を発電側に置くか、電力網側に置くかという議論は決着していない。

 

 この点でGSGFのレポートは、これまで電力網側に蓄電設備を置くことがコスト要因としてとらえる視点に対して、すでにいくつかの国では経済的合理性のレベルにコストダウンしていることを指摘。さらに再エネ側に設置された多様な蓄電設備を電力システムコントロールのために統合することの重要性を提言している。

 

 蓄電設備の電力網への取り込みの最大の課題は、規制体系の整備にあるとしている。蓄電システムを電力網に制度的に組み込む規制を打ち出すことで、蓄電設備の生産増加につながり、結果として補助金無しでの蓄電設備のコストダウンが図られると指摘している。

 

 蓄電設備の利用がシステム化されることによって、単に周波数変動を抑える再エネ対策の用途から、電力需要やピーク設定に応じた弾力的な市場形成が可能になり、最終的にマイクログリッドへと発展すると分析。普及に向け、蓄電池利用の経済的価値を評価する制度が求められると提言した。

 

 レポートでは、先進各国の蓄電池利用の実態が紹介され、日本からは太陽光発電所が引き起こす周波数変動を蓄電池で吸収する宮古島(沖縄県)の事例が掲載されている。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が米国で、蓄電池と自家発電設備を組み合わせて、オフィスビルをマイクログリッド化した実証実験も取り上げている。

 

http://www.globalsmartgridfederation.org/wp-content/uploads/2016/01/16-01-28-Press-Release-Battery-energy-storage-has-a-viable-future-in-grid-operation-support.pdf