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北海道・夕張市の炭層メタンガス、秋にも試掘。かつては突出事故で死者も。事故の元凶をエネルギーに活用(北海道新聞)

2016-03-03 15:18:50

yubariキャプチャ

 

 【夕張】夕張市は、地下に眠る炭層メタンガス(CBM)について、暖房などのエネルギー源に活用するための試掘を産官学の連携で9月にも始める。市は、試掘を行う石油資源開発(JAPEX、東京)、地質調査のレアックス(札幌)、研究者団体の4者で3月中に包括連携協定を締結する。

 

  試掘予定地は清水沢清陵町で、1981年に北炭夕張新鉱ガス突出事故が発生した地区。多くの人命を奪ったガスを、地域再生の核として活用する一歩を踏み出す。

 

 試掘の成果を踏まえて2017年度以降にテスト生産を行い、将来的にはガスを熱源としたビニールハウスの暖房や夕張メロンの早期栽培、ガス発電への利用につなげたい考え。採算が取れるだけの安定したガス湧出量が得られるかどうかが実用化の鍵だ。

 

 試掘は、国内外で油田・ガス田開発の実績が豊富なJAPEXが、夕張市のガス採掘権を有するレアックスと行う。旧清陵小跡の市有地を深さ900メートル程度までボーリングし、埋蔵量や成分、1日当たりの生産量などを調査する。道内外の研究者らでつくるNPO法人「地下資源イノベーションネットワーク」(札幌)は、効率的なガス抽出や有効活用の助言を行う。

 

 試掘費用は約2億円を見込む。このうち約1億円は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の補助金を申請中で、残り約1億円は夕張市が補助する。市は財政再生団体で自主財源がないため、道の交付金と産炭地振興基金を活用する方向で調整している。

 

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0241666.html