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世界の大気中CO2、2015年は観測史上最高の3.05ppmの上昇。加速する温暖化現象。米海洋大気局(NOAA)のデータ(RIEF)

2016-03-11 14:14:10

NOAAキャプチャ

 

  米海洋大気局(NOAA)は2015年の世界の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は、3.05ppmの上昇と、これまでの観測史上、最高の増加量を示した。4年連続して年間の上昇量が2ppm以上となっており、温暖化が加速していることを立証した。

 

 観測値はハワイにあるNOAAのマウナロア観測所での測定で明らかになった。これまで56年間の調査中、最大の年増加量を記録した。NOAAの「世界温室効果ガス観測ネットワーク」の主任科学者であるPieter Tans氏は「CO2レベルは、これまでの数十万年間よりもはるかに急速に上昇している。自然の作用に比べて、爆発的に増えている」と指摘している。

 

 今年2月時点の世界の平均CO2量は402.59ppmとなっている。西暦1800年以前の水準は約280ppmだったから、約44%も増加したことになる。地球のCO2増加が顕著となったのは1万1000年~1万7000年前とされるが、その段階では期間を通じて80ppmの増加となったが、今回の増加率は当時に比べて、200倍も早く増えているという。

 

 Tans氏によると、昨年のCO2量の飛躍的上昇の原因は、一部はエルニーニョ現象によって、森林や植生、陸生システムなどが異常な豪雨や干ばつなどの気候変動に反応したことが影響しているという。それ以外では、人類による化石燃料の燃焼により高レベルの排出が継続していることが、ここ数年来のCO2排出濃度上昇に大きな影響を及ぼしている。

 

同じようなCO2の飛躍的上昇が前回観測されたのは1998年で、同じく強力なエルニーニョの年だった。

 

http://www.noaa.gov/record-annual-increase-carbon-dioxide-observed-mauna-loa-2015