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3月の世界の気温上昇 過去100年でもっとも高いレベルに。昨年5月から11か月連続で史上最高値を継続中。温暖化「危機的レベル」に近づく(RIEF)

2016-04-17 10:11:43

kionキャプチャ

 

  3月の世界の気温は、過去100年でもっとも高く、平均を1.07℃も上回ったことが明らかになった。気温上昇率では他の月よりも最も高かった。これで11か月連続、史上最高の気温上昇が続いている。

 

 2月の気温も20世紀の平均を大きく上回る1.04℃で、気候変動関係者は「気候変動の危機的シグナル」と指摘されたが、3月はさらに気温上昇幅が大きかった。

 

 日本の気象庁の観測では1891年以降で最も気温の高い3月となった。一方、NASA(米航空宇宙局)の発表では、3月は1951~1980年平均より1.65℃高く、2月の上昇率1.71℃のほうが高かった。

 

 世界気象機関(WMO)は、3月の気温上昇は過去の月別上昇率をすべて上回ったと認めている。地球温暖化による気温上昇の傾向はこのところ一貫しているが、最近の上昇率の高さは、気象学者も驚くほどのペースとなっている。

 

 年間の世界全体の気温上昇では昨年は1850年以来、もっとも温度の高い年となったが、今年はそれを更新するとみられている。

 

 気候変動の専門家は、2,3月と二カ月連続で、過去最高の気温上昇が続いていることに「世界は今や『危険ゾーン』に近づいているといわざるを得ない」(米ペンシルバニア州立大学 Michael Mann教授)と、評価している。

 

 

 地球の気温上昇ペースが速まっているのは、エルニーニョの影響もある。1998年以来、過去最大の減少となっているという。しかし専門家は「人類の経済活動による温室効果ガス排出量の増加がもっとも影響している」(独ポツダム大学の Stefan Rahmstorf教授)。