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日本の中堅・中小企業連合。フィリピンのミンダナオ島で、再生可能エネルギーを総合開発へ覚書。小水力、もみ殻発電、太陽光、風力、地熱。2国間クレジット(JCM)対象事業にも(RIEF)

2016-04-27 00:42:46

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 総合建設コンサルタントの長大(東京、東証二部)は、太陽光や風力発電などを手掛ける自然電力(福岡市)と共同で、フィリピンのミンダナオ島で現地企業を巻き込んだ、小水力、もみ殻発電、太陽光、風力、地熱などを組み合わせた総合的な再生可能エネルギー開発事業に乗り出す。

 

 多様な再エネプロジェクトを組み合わせて総合的に開発することで、日本政府が推進している温室効果ガス削減のための二国間クレジット(JCM)協定の対象にすることも目指すという。

 

 日本とフィリピン間のJCM協定はCOP21の際に署名されており、17番目の協定国になるとみられている。協定が結ばれると、今回の事業から得られるカーボン・クレジットの価値も両国が活用できることになる。

 

 日本企業主導のアジアでの再エネ事業としては、商社やメーカー系などによる取り組みが各地で広がっている。そうした中で、日本の中堅・中小企業が、海外の地元企業と連携して、総合的な再エネ開発事業を展開するのは、極めて珍しい。

 

 開発企業連携に加わるのは、2社のほか、長大のグループ会社の基礎地盤コンサルタンツ(東京)、自然電力の関連会社で事業企画、投資を実施するアラムポート(東京)、さらに地元ミンダナオ島のエクイパルコ社、ツインピークス社の合計6社。このほど東京で覚書の調印式を行った。

 

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 事業を展開するのは、ミンダナオ島北アグサン州ブトゥアン市で、同市を中心とするカラガ地域の低炭素型経済開発マスタープランづくりを行う。

 

 こうした全体構想の下で、総合的な再生可能エネルギー開発を展開する。すでに長大は、2011年から同地域で現地企業2社と連携し、同地に流れる3河川(アシガ川・タギボ川・ワワ川)での小水力発電事業を展開している。

 

 またもみ殻などの農産品等を活用したバイオマス発電事業等を共同開発するとともに、水道コンセッション(上水事業)、アグリ・アクア(農業・養殖業)、工業団地開発等、を展開してきた実績を持つ。

 

 こうした、これまでの事業開発を深めるほか、新たに、自然電力の協力を得て、太陽光、風力事業の展開を探る。また基礎地盤コンサルタンツは、同島の豊かな地熱開発の利用可能性を調べる。

 

 事業地域のミンダナオ島は、モロ・イスラム解放戦線(MIFL)による長い紛争の歴史があり、今も一部では治安問題が消えていない。また貧困問題も深刻だ。その一方で、豊かな自然に恵まれ、農業が盛んなほか、自然エネルギーによる電源開発に適した場所も多い。

 

 長大はアジア各地での開発実績を豊富に持つが、自然電力は海外進出は初めてとなる。同社は2011 年の設立以来、14 件の自社保有の太陽光発電所を国内で運営するほか、グループ全体で、約 700MW(2015 年 12 月末時点)の太陽光発電事業を展開している。

 

 最終的には、再エネ開発の拡大によって、現地への日系企業誘致を目指す低炭素型工業団地開発事業(約140ha)も推進し、ミンダナオ島カラガ地域での低炭素型経済開発を進める、としている。

 

https://www.chodai.co.jp/news/2016/04/012472.html