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グリーンピース・ジャパンの新事務局長、決まる。途上国でのNGO活動豊富な米田祐子さん(RIEF)

2016-08-26 16:55:29

yonedaGPキャプチャ

 

 環境NGOグリーンピース・ジャパンの事務局長に、アジア・アフリカ等の開発途上国で長年にわたってNGO活動を実践してきた米田祐子さんが就任した。3月末に前事務局長の佐藤潤一氏が退任後、公募していた。

 

 米田さんは横浜市出身で、米国の大学院を修了した後、開発途上国での住民支援の活動に携わり、これまで30カ国以上で活動してきたという。直近は、国際NGOの「プラン・インターナショナル」ラオス事務所で副所長を務めていた。それ以前には、セーブ・ザ・チルドレン、オックスファムなどでも活動した経験を持つ。

 

 これまでかかわった活動では、内戦中のソマリアでの市民団体の強化、カンボジアの少数民族の土地や森林と生活を守る活動、リベリアでのエボラ出血熱に苦しむ子ども達やその家族への緊急支援、ラオスでの衛生教育など、幅広い実践の現場を踏んでいるエキスパートだ。

 

 事務局長への就任に際して、米田さんは「環境を守っていくためには、私たち人間と自然の関係を見直さなければなりません。それは、私たちの価値観や生活スタイルを一人一人が見つめ直すことです。人々が信念を持って、自分たちにとって大切な問題に対して行動を起こすことは、大きな変化につながっていくと思います。草の根レベルでのそうした行動と連携は強力なものだと確信しています」とコメントしている。

 

 前任の佐藤事務局長時代は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故が最大の課題となった。グリーンピースは、全村民避難を余儀なくされた飯舘村をはじめとする被災地域に、放射線調査の国際チームを派遣し、定期的に放射能汚染の実態を客観的データで報告するなどの活動を展開してきた。

 

 その福島原発問題は現在も進行形であるほか、パリ協定の締結を踏まえた地球温暖化問題も「対策実践」に向けて、大きな山場を迎えようとしている。温暖化問題では、日本の企業や、日本政府の政策への国際的な関心が徐々に高まっている。一方で、日本国内の環境NGOネットワークの弱さも指摘されている。

 

 こうしたことを意識してか、米田さんは、国内でのグリーンピースの支持基盤の強化とともに、他の市民団体との連携やグリーンピースの世界中のオフィスとの協力強化も図りたいと、している。

http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/2016/pr20160825/