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ホンジュラスの環境保護活動家で、今春に暗殺されたベルタ・カセレスさんに国連環境計画(UNEP)が「地球賞」を贈呈(RIEF)

2016-12-04 21:21:02

Honduras3キャプチャ

 

 国連環境計画(UNEP)は、ホンデュラスの環境保護家で、今年3月に暗殺されたベルタ・カセレスさん(当時45歳)の環境保護・人権活動と、人々を鼓舞した影響力を讃え、今年の「地球賞(Earth Prize)」に選んだ。

 

 UNEP事務局長のErik Solheim氏が、先週末の公表した。同氏は「カセラスさんの死は無駄にはならない」と評した。

 

 カセレスさんは、ホンジュラスのインティブカ県ラ・エスペランサ生まれでレンカ族の出身。若い時から環境保護活動に参加、1993年にホンジュラス民衆と先住民の国民協議会の共同設立者となった。

 

 レンカ族の土地に、強引に計画されたダム建設反対の環境保護運動のリーダーとして活躍してきた。その功績で2015年には、ゴールドマン環境賞を受賞している。

 

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    カセレスさんが力を注いできたのは、事業規模5億㌦のAgua Zarca ダム建設計画。同ダム計画は、現地住民の土地を不法に取り上げ、生活権と人権を侵害、自然環境も大きく変貌させるとして、長年にわたって、住民たちが反対運動を続けてきた。

 

 彼女の断固としたリーダーシップの影響を恐れてか、今年3月3日、自宅で何者かによって、銃殺された。彼女の殺害は世界に衝撃を与えたが、2001年以来、彼女を含めて17人の活動家が殺されており、彼女はそうした一連の犯罪の犠牲者の一人となった。

 

 米国が支援した軍事部隊の仕業との指摘もある。一年に一人の割合で活動家が殺されている計算だ。にもかかわらず、犯人はほとんど捕まっていないという。同国の警察等が十分に機能していないため、と指摘されている。

 

 カセレスさんの兄弟のJuan Manuel さんは、受賞に対して、「我々家族としては、ベルタに贈られこの賞は、レンカの人々のために闘うとともに、素晴らしい生き方をしたベルタの人生を讃えるものだと、希望している。同時に、世界中で環境の権利のために闘っているすべての人々の心に与えられた賞でもある」と述べた。

 

 「地球賞」は、国連でもっとも権威のある環境賞とされる。今回は、カセレスさんのほか、ルワンダの国家環境戦略を実現するためにリーダーシップを発揮した大統領のPaul Kagame氏、グリーン金融を使った太陽エネルギーを展開したモロッコの「Moroccan Agency for Sustainable Energy」、メキシコの生態系保全を推進してきた環境活動家の José Sarukhán Kermezさんらに与えられた。

 

 全米人権委員会(IACHR)によると、犯罪の多発するホンジュラスでは、2010年以来、人権活動家らに対する脅迫などの犯罪は3064件に上るという。

 

http://www.telesurtv.net/english/news/UN-Group-Declares-Betty-Caceres-a-Champion-of-the-Earth-20161203-0001.html

http://www.telesurtv.net/english/news/Honduras-Human-Rights-Activists-Face-a-Violent-Crisis-Report-20161201-0037.html