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三重県青山高原に 日本最大の風力発電所稼動。44基、発電量80MW。三重県の津、伊賀両市と中部電力系シーテックが協働で(各紙)

2017-02-06 15:24:09

aoyamaキャプチャ

 

  三重県の青山高原一帯で風力発電事業を展開している、同県津市と伊賀市、それに中部電力系のシーテックの3社で構成する第三セクター「青山高原ウィンドファーム」は、第2期分の設備建設を完了した。今月から風力発電設備44基、発電量80MWというわが国最大の風力発電事業が順調に稼動した。

 

 同ウィンドファームの建設は、三重県の中央部分に広がる青山高原の峰筋に風力発電を設置するもの。青山高原は、東西に盆地や平野が開けており、大きな障害物もなく、若狭湾から琵琶湖を経て伊勢湾に抜ける強風が年間を通して吹く、国内屈指の好風況地。ただ、室生赤目青山国定公園を含むことから、2012年に自然公園法の開発許可を得て、2期に分けて建設を進めてきた。

 

 1期目は18基36MWの発電容量で、2016年3月に稼動した。今回、残りの22基44MW分が今月2日に稼動し、全基そろって風を受けて発電に入っている。年間の発電量は1億5000万kWh程度の見通しで、一般家庭約4万4000世帯の年間消費電力に相当する。発電した電力は全量、固定価格買取制度(FIT)で中部電力に売電する。

 

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 発電量は、津市の場合なら全世帯の36%、伊賀市ならば1.1倍をまかなうことが出来る。またCO2排出量は年間7万4000㌧の削減効果があり、ドラム缶約20万3000本の原油消費を節約できる計算だ。

 

 設置した風力発電設備は日立製作所の発電能力2MWを持つ「HTW2.0-80」。同機はダウンウインド方式を採用している。正確な風向を計測し効率よく風と正対することができるため、発電量が増加できる。また、風見鶏効果による風荷重低減で基礎工事物量を低減し、コストを削減できるなどの利点があり、丘陵地など吹上風が吹く地帯での発電効率が高いことで定評がある。日立はこれまでに240基以上の受注実績がある。

 

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 中部電力グループは今回のウィンドファームを含め、青山高原では5つの風力発電所を展開中だ。5カ所を合わせると、風車の数は91基にも及ぶ。発電能力は152MW。これだけの規模の風力発電所が集まっている場所は、日本ではほかにない。

 

 国内では2012年10月から規模の大きい風力発電所(発電能力7.5MW以上)を建設する場合には、事前に環境影響評価の実施が法律で義務づけられている。このため、手続きの開始から完了までに3年程度かかる。ようやく最近になって全国各地で風力発電所の運転が続々と始まっている。

 

http://www.awf.co.jp/

http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/02/0202.html