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今年第一四半期(1~3月)の世界のクリーンエネルギー投資 前年比17%減の540億㌦。米中両市場での太陽光、風力事業の伸び悩みと、単価下落を反映。BNEFによる調査(RIEF)

2017-04-19 21:20:13

BNEFキャプチャ

 今年第一四半期(1~3月)の世界のクリーンエネルギー(再生可能エネルギー)投資額が前年比17%減の540億㌦と大きく落ち込んだ。主に米国と中国市場での太陽光と風力の両事業が伸び悩んだことが大きい。また欧州を中心に活況を停止してきた洋上風力発電も前年度ほどの勢いを欠いた。ブルームバーグ(BNEF)がまとめた。

 

 投資額の大幅減の一因には、2016年全体でも前年比20.7%減となった際の要因と同様に、太陽光などの再エネ発電コストが劇的に低下していることも反映している。BNEFの推計では、2016年の投資額は2890億㌦(UNEP推計は2416億㌦)で、前年の3490億㌦(同3122億㌦)から大幅に下がった。

 

 新規のクリーンエネルギー投資が低迷しているわけではない。今年第一四半期での目立った動きとしては、電気自動車のテスラが再エネ事業で 140億㌦を投資したほか、イタリアの大手電力会社のEnelがメキシコで大規模太陽光発電事業に6億5000万㌦投じた案件が含まれている。

 

 また今月に入ってからでも、廃棄物発電等を進めている中国のEverbright Greentech社が香港証券取引所に新規上場し、330億香港㌦(約4億2500万㌦)をIPOで調達している。同社は調達資金で中国内外で農業や森林事業と連携した再エネ事業に投資する予定という。同社のIPO総額は再エネ関係企業としては、2009年に中国のLongyuan Power Groupが調達した260億㌦に次ぐ規模となった。

 

  またトルコやスペインでは新たに大規模グリーンプロジェクトが始動している。トルコではエネルギー省が主導して、1GW規模の風力発電ファームを建設するとして、7月27日までに投資家の入札を求めている。同事業はトルコ政府によって15年間の買い取り保証が付されている。スペインは来月、3GW規模の再エネ事業の入札を開始する。同国では2008年に財政難に直面した政府が、既存事業への補助金を削減したことで打撃を受けた再エネ市場の回復を目指している。

 

 インドではフランスのEngieの現地子会社が太陽光発電事業の入札で、過去最安値の1kWh当たり3.15ルピー(5セント)で受託した。同事業の発電容量は250MW。

 

https://about.bnef.com/blog/tesla-mexican-solar-hotspots-tepid-q1-clean-energy-investment/