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中部電力浜岡原発で、見つかった放射性物質含む樹脂の粉状堆積物。気圧差で冷却水の配管から噴出の可能性。冷却水目詰まりリスクも(各紙)

2017-05-24 12:45:26

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 各紙の報道によると、中部電力の浜岡原発(御前崎市佐倉)で、今月初めに、廃棄物減容処理装置建屋内で放射性物質を含む粉状の堆積物が見つかった問題で、その後の調査の結果、堆積物は原子炉の冷却水の浄化に使用された樹脂とわかった。配管内からも同様の樹脂が見つかっており、同社の原発管理の不十分さが改めて浮き彫りになった。

 

 問題の「粉状の堆積物」は、今月2日、廃棄物減容処理施設の地下2階(放射線管理区域)で5ヶ所の排水マス周辺の床で見つかった。放射能量を測定した結果、1c㎡当たり最大141ベクレルを記録、法令に基づく基準値(同40ベクレル)を超えた。このため、原子炉施設保安規定に基づき、立ち入り制限を講じ、その後回収、除染を実施した。

 

 その後の調べで、冷却水の浄化に使った樹脂が、地下の配管に残り、排水マスから噴き出して床にたまった可能性があることがわかった。排水マスがある部屋は気圧を低く保っていたため、気圧差で樹脂が噴き出した可能性が指摘されている。

 


 また、小型カメラを使って配管内を調べたところ、約40mにわたって同様の樹脂があることもわかった。樹脂で配管が詰まる事態になると、冷却水が流れることができず、原子炉の運転にも支障を来たす可能性も浮かんでくる。樹脂が噴出するまで、異常事態に気付かなかったということは、中部電力の管理体制に甘さがあったといえる。

 


 浜岡原発では、この樹脂の堆積物問題のほか、4号機で、放射性物質が漏れた緊急時に用いる「非常用ガス処理系」に必要な措置が実施されていなかったトラブルなども起きている。

 


 中電から報告を受けた愛知県の杉保聡正危機管理部長は「トラブルが立て続けに発生し、大きな事故につながりかねない」と述べ、詳細な調査と再発防止策の徹底を求めた。一方、原子力規制庁の担当者は「原子力規制委員会にただちに報告する重大な事案ではない」としている。


 http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/hamaoka/362183.html