HOME13 原発 |米スリーマイル島原発事故後も稼動中の1号機、2019年の早期閉鎖決まる。同原発全体も閉鎖。シェールガス等の台頭で経済的に成り立たず(RIEF) |

米スリーマイル島原発事故後も稼動中の1号機、2019年の早期閉鎖決まる。同原発全体も閉鎖。シェールガス等の台頭で経済的に成り立たず(RIEF)

2017-05-31 12:16:25

TMIキャプチャ

 米電力大手エクセロン(Exelon)は、1979年に炉心溶融事故を起こしたペンシルバニア州の米スリーマイルアイランド原発(TMI)で、事故後も発電を続けていた1号機を2019年9月末までに閉鎖すると発表した。事故を起こした2号機はすでに閉鎖されており、1号機の閉鎖で、TMI原発は全面的に閉鎖されることになる。

 スリーマイル島原発事故は、2号機の点検作業中に給水ポンプが停止し、炉心の圧力が上昇。その連鎖反応で、炉心上部がむき出しになり、燃料棒が毀損、炉心溶融を起こした。燃料の42%、62㌧が融け、うち20㌧が落下して圧力容器の底に溜まる事態となった。

 事故3日後には「8km以内の学校閉鎖、妊婦・学齢前の幼児の避難勧告、16km以内の住民の屋内待機勧告」などが出され、周辺の道路は避難する車で大パニックになった。実際に放射性物質の外部流出は一部でみられ、国際原子力事象評価尺度(INES)でのレベル5(事業所外へのリスクを伴う)の事故と認定された。東京電力福島第一原発事故は、チェルノブイリ原発事故と同様、最上位のレベル7(深刻な事故)だった。

 TMIの2号機はそのまま閉鎖されたが、1号機は正常に稼動していたため、2034年までの運転許可を得ていた。しかし、ペンシルバニア州が設定している「代替エネルギーポートフォリオ基準(AEPS)」の対象外とされ、シェールガスの普及による電力価格の下落で、採算が悪化していた。

 エクセロンによると、過去7年間で累計8億㌦(約890億円)の損失を出していたという。同原発の閉鎖で、675人の労働者と関連の契約労働者1500人の雇用に影響が出るが、閉鎖の6ヶ月前までに職業転換などの形で雇用の継続を目指すとしている。

http://www.exeloncorp.com/newsroom/exelon-to-retire-three-mile-island-generating-station-in-2019