環境省が福島原発汚染地区での農地除染作業で「虚偽報告」作成。現地を確認せず「完了」と認定。お粗末な役所仕事(各紙)
2017-07-05 11:56:51
各紙の報道によると、東京電力福島第1原発事故による除染作業で、環境省が福島県南相馬市原町区の農地2カ所の除染作業を行っていないのに、地権者へ「完了した」と虚偽の報告をしていたことが分かった。
共同通信が報道した。環境省福島環境再生事務所の説明によると、この農地を含む除染は国が発注し、共同企業体(JV)によって進められた。JV側は除染方法を環境省と相談するため作業を保留していたが、環境省が既に終了した他の農地と混同し、報告書に「完了」と記入したという。
この報告を受けた環境省は今年5月、地権者に「完了」を通知した。しかし、6月に地権者が当該の農地を確認したところ、草が生えたままになっており、除染作業を実施した形跡が全くないことから、JV側に問い合わせて、作業をしていなかったことが発覚した。
JV側は環境省に「内部での申し送りが悪かった」と説明、故意ではなかったとしている。本当に「うっかりミス」だったのか。少なくとも環境省の役人が現地を確認すれば、除染が行われたかどうかは、わかったはず。環境省が現地確認をしないで、「完了」の確認をしていたことは、行政の怠慢・ミスであると指摘せざるを得ない。
環境省は「環境再生・資源循環局」の新設を決めた。除染事業や除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設(福島県)の整備等を担当する「環境再生・資源循環局」を今月14日に、新たに発足させる。170人の陣容でスタートするという。
同省は除染作業で予算・人員を増やし、役所の人数を増やせてハッピーなようだが、局を新設までして力を入れなければならない除染作業が、今回の事態のように、現地ではお粗末な管理体制になっているということでは、同省の存在意義も問われそうだ。