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楽天。ネットオークションでの象牙製品の販売を停止へ。今月中に実施。国際的な象牙取引禁止の流れに沿う。べっ甲、ウミガメ製品も取引禁止に(RIEF)

2017-07-14 18:05:02

rakutenキャプチャ

 

 楽天は、インターネットオークションサイトの楽天市場で、今後、象牙製品の販売行為を認めないことが明らかになった。先月30日付けで規約変更の通達を関係者に発送、約1ヶ月の猶予期間後には販売停止になるという。今月末にはサイトから「象牙製品」が消えることになる。べっ甲やウミガメの甲羅を使った製品も同時に取引禁止商材に加えるという。

 

 自然保護NGOのWWFJapanが報じた。楽天サイトにアクセスすると、現在のところは、猶予期間ということで、象牙の印鑑等がリストアップされている(7月14日時点)。販売停止対象の主な商品は、象牙の印鑑のほか、アクセサリーや彫刻、数珠、三味線や琴などの和楽器で使われるパーツ、箸をはじめとする食卓用具など。

 

 

 楽天は2014年にも、楽天市場での鯨肉の取り扱いが、海外の動物愛護団体などから強い非難を受けたことで、販売を停止した経緯がある。WWFは今回の決定も、象牙市場の閉鎖を求める国際世論に配慮したものと考えられる、としている。

 

 これまでのところ、日本国内で合法的に販売されている象牙製品は、以前からある在庫を元にしているとされるので、近年激化しているアフリカゾウの密猟の直接の要因になっているわけではない、と説明されている。しかし、象牙の密売を追跡している「トラフィック・イースト・ジャパン」の2014年調査では、楽天市場やヤフーオークションなどのインターネット上での象牙取引に多くの問題があることが指摘された。

 

  例えば、出店して象牙製品を販売している事業者の多くが、「種の保存法」で象牙を取り扱う業者に義務付けられる届出を行なっていないことが明らかになっている。この指摘を受けて、楽天とヤフーの両社は、出店店舗やユーザーに遵守を徹底させる自主的取り組みをとってきた。

 

 その結果、2017年5月に実施した再調査では、未届けの業者はほとんど見られず、取り組み成果が確認されたという。一方で、販売されている個々の象牙製品が、どのような由来の原料を使ったものかを明らかにする「トレーサビリティー」に関しては、十分な改善がみられないこともわかった。

 

 トレーサビリティーを確立するための手段として、「種の保存法」では製品認定制度を設定し、希望する業者に対し製品ごとの認定を行なっている。だが、ウェブ店舗上で取引される象牙製品の場合、この制度の利用状況は依然として低い状態にあるという。

 

 また、WWFは、「ネットオークションや近年台頭してきたフリーマーケットサイトで、業者が個人を装って象牙製品を取引するケースも多数認められている」と指摘、アジアやアフリカから個人が、ワシントン条約に違反して、日本に持ち込んだと思われる象牙のアクセサリーの販売も見つかっているとしている。

 

 WWFとトラフィックは「今回の楽天の決定は、これから先の象牙をめぐる流れを見据えた先駆的なもの。eコマース業界全体で象牙製品の取引を停止するよう強く要望する」と呼びかけている。日本政府に対しても、「こうした業界の努力を後押しする意味でも、インターネット上での象牙取引の実態を踏まえた、象牙の管理・規制制度改革を早急に検討する必要がある」と制度的担保を求めている。

https://www.wwf.or.jp/activities/2017/07/1376010.html