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マレーシアの再エネ企業が、初のイスラム金融版のグリーンボンド(グリーンスクーク)発行。資金使途はボルネオ・サバ州でのメガソーラー事業(RIEF)

2017-08-04 17:04:43

Tadauキャプチャ

 

  初のイスラム金融版のグリーンボンド(グリーンスクーク)が発行された。マレーシアの再生可能エネルギー企業、Tadau Energyが発行したもので、発行額は2億5000万リンギット(5800万㌦)。調達資金は太陽光発電事業に充当される。

 

写真は、グリーンスクークの投資対象のメガソーラーサイトを視察するマレーシアのDatuk Seri Dr Maximus Ongkili グリーン技術水資源大臣)

 

 マレーシアでは同国中央銀行が世界銀行と連携し、2014年に社会的責任投資(SRI)スクーク・フレームワークを開発している。今回のグリーンスクークはその一環であり、同国金融市場では「グリーンSRIスヌーク」と呼ばれている。同国証券取引所会長のTan Sri Ranjit Ajit Singh氏は「わが国のグリーンファイナンスに対して、グローバルな関心が高いと信じている」と手応えを示している。

 

 イスラム金融では、社債発行の代わりに、裏付け資産・プロジェクに対する観念的な持分を意味するスクーク(sukuk)が権利として認められている。スクークは、イスラム的に許容される目的のためのみに発行される規定で、グリーンプロジェクトはイスラム的にも整合性があることになる。

 

 グリーンスクークは、償還期間2年から16年ものまでの複数のトランシェで構成されている。対象となる太陽光発電事業は、Tadau Energyが同国ボルネオのサバ州で進めている2つのメガソーラー事業(合計50MW)の事業資金に充当される。Tadauは同事業を進めるサバ電力会社と21年間の売電購入契約(PPAs)を結んでいる。メガソーラーの一つは、6月末に操業を開始、もう一つは、来年の3月末に稼動の予定。

 

 スクーク自体の信用格付けは、マレーシアの地元格付け機関のRAM RatingsからAA3/Stableを取得、グリーン評価については、ノルウェーのCiceroからもっとも環境評価の高い「ダークグリーン」のセカンドオピニオンを得ている。

 

 プリンシパル・アドバイザー、リードアレンジャー等はマレーシアの投資銀行、Affin Hwang IBが担当した。Tadau Energyは、中国企業が主要株主のEdra Power Holdingsの再エネユニットとして知られる。会長のTan Sri Chua Ma Yu 氏は「初のグリーンスクークを発行できて光栄。われわれのサステナブル責任投資に対する取り組みが評価された形だ。グリーンエネルギー分野は膨大な潜在性を持っていると信じている」と強調している。

http://www.thesundaily.my/news/2017/07/27/edra-powers-tadau-energy-issues-malaysias-first-green-sukuk