HOME |英ダイソンが電気自動車開発・販売を宣言、2020年発売。電池はリチウムではなく全固定電池。デザインは秘密。「今の電気自動車とはラディカルに違う車を」と。(REIF) |

英ダイソンが電気自動車開発・販売を宣言、2020年発売。電池はリチウムではなく全固定電池。デザインは秘密。「今の電気自動車とはラディカルに違う車を」と。(REIF)

2017-09-27 16:27:39

dyson1キャプチャ

 

  独創的な掃除機等で知られる英家電メーカーのダイソンは、2020年に独自の電気自動車を販売することを明らかにした。20億ポンド(約3000億円)以上を投資して、自動車本体と全固定電池のバッテリーを同時に開発する。創業者でCEOのJames Dyson氏は「(他社が売り出している電気自動車とは)ラディカルに異なる車になるだろう」と説明している。

 

写真は、初期のアストン・マーチン・ミニに乗るJames Dyson氏)

 

 ダイソンが電気自動車市場に参入する可能性は、本サイトでも8月に報じている。http://rief-jp.org/ct12/72044 高級自動車メーカーの英アストンマーティンなどから幹部クラスを相次いで採用し、今年3月にはロンドン近郊に新たな技術キャンパスの設立を発表するなど、着々と準備を進めてきた。2015年には米国のバッテリー企業のSakti3を買収している。

 

 投資額20億ポンドのうち、半分を車体の開発に、残りの半分をバッテリーの開発に投じる。バッテリーは現在、市場に投入されている電気自動車が主に使うリチウム・イオン電池式ではなく、電解質に固体を用いる全固定電池を開発する。同電池はリチウム電池に比べて、充電容量、充電時間を大幅に改良でき、電池寿命も長い。このためリサイクルコストも低くなるメリットがある。

 

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 全固定電池の開発はトヨタも進めており、ダイソンが商業化を目指す2020年には、この方式での電池を搭載した電気自動車の競争が本格化すると見られる。ダイソンは、すでに2015年以来、約400人の技術者らを電気自動車開発に集中配置している。

 

 現在のところ、プロトタイプの試作車はまだ建設されていない。しかし、駆動力となる電気モーターの準備は完了しており、バッテリーについては2種類の全固定電池を開発中という。 Dyson氏は「いずれの電池も現在の他社の電気自動車のものより、すでに効率性は上回っている」と説明している。

 

ダイソン氏のイメージ・デッサン
ダイソン氏のイメージ・デッサン

 

 ただ、Dyson氏は米国等で進んでいる自動走行車には懐疑的という。現在のところ同社が売り出す電気自動車は完全自動走行車とは異なる見通しだ。また、先行する米国のテスラがスポーツカータイプを主力としているのに対して、「スポーツカーではない」と語っている。「ダイソン・カー」は伝統的なスタイルとなるか、あるいはダイソンらしい独自のデザインになるかが注目される。

 

 Dyason氏は従業員向けツィッターで、電気自動車の開発について「グローバルな大気汚染問題の解決策を見出すことが私の野心となっている。数年前から、自動車業界を観察してきたが、彼らは事態を変革しようとしているようにはみえない」と述べ、既存の自動車業界を批判したうえで、自ら電気自動車を開発する決意を伝えている。

 

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https://twitter.com/Dyson?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.theverge.com%2F2017%2F9%2F26%2F16368196%2Fdyson-electric-car-vehicle-announcement